ゴルフ場グリーンの芝張り替え施工実例|庭師の現場記録

この記事では、実際に行ったゴルフ場グリーンの芝張り替え作業について、庭師としての現場経験をもとにまとめています。

芝生の張り替え方法や種類を網羅的に解説する記事ではなく、
プロの施工現場でどのような作業が行われているのかを知ってもらうための実例記事です。

芝生の基礎知識や一般家庭向けの張り替え方法については、別記事で詳しく解説しています

場所ごとの芝生の違い

1.フェアウェイ

普通のフェアウェイでの芝生は主に高麗芝のようなものが使われています。高麗芝は日本性のもので一般的な野芝に比べて芝生の密度がきめ細かい特徴があります。

インターネットから引用

こちらが野芝。公園などに主に使われます。

インターネットから引用

こちらが高麗芝です。こちらの方が野芝より決め細やかなのが特徴です。洋風のお庭などに使うことが多いです。

2.グリーン

使用されている芝生の特徴

ゴルフ場グリーンで主に使われるのは、姫高麗やベントグラスなどの西洋芝です。

この芝は、

  • 葉が非常に細かい
  • 密度が高い
  • 年間を通して管理が必要

といった特徴があり、施工・管理ともに難易度は高めです。

その分、仕上がったときの美しさと性能は、一般的な庭芝とは比べものになりません。

インターネットから引用

姫高麗芝になります。

一般的には姫高麗のほうが高麗芝よりも決め細やかという認識ですが生育環境によっては高麗芝のほうが細かくなる可能性もあるので大差ない❗と思っていただいて大丈夫です。

インターネットから引用

こちらがベントグラスです。

高麗芝よりも遥かに決め細やかなのが一目瞭然ですね。

まるで人工芝なんじゃないかと思わせるような細やかさと綺麗さです。

このベントグラスは洋芝で寒地型の芝生になります。

ちなみに日本の野芝、高麗芝などは暖地型芝になります。

暖地型芝 寒地型芝

暖地型芝生は冬に地上部が枯れて休眠するのが特徴です。
暖地型芝生の生育適温は25~30℃で、ノシバやコウライシバは15℃前後で生育が緩慢になり、10℃以下になると休眠し、地上部が枯れた状態になります。春になって温度が高まると、再び芽が出て緑色になります。暑さ、乾燥にも強いです。

一方で寒地型芝は、寒さに強く、冬でも青い芝生で、関東より北に向いています。寒地型芝はすべて西洋芝と呼ばれるもので、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類などがあり、種により生育させます。摂氏5℃前後から生育を開始し、生育適温は15~20℃です。22℃以上の平均気温が2ヶ月以上続くと夏枯れを起こしやすくなりますが、0℃以下でも枯れることなく寒さには非常に強いのが特徴です。

施工

芝張り替え作業の流れ(実際の現場)

既存芝の撤去と下地調整

最初に、既存の芝を丁寧に剥がし、床土の状態を確認します。

この段階で凹凸や締まりの悪い部分があると、
後の仕上がりや転がりに大きな影響が出るため、
細かく修正しながら下地を整えていきます。

芝張りは下地が8割と言われる理由を、改めて実感する工程です。

芝の搬入と仮並べ

芝は鮮度が非常に重要です。

乾燥させないよう注意しながら、
張る順番や向きを考えて仮並べを行います。

この時点での段取りが、作業スピードと仕上がりを左右します。

芝の張り込みと目地調整

芝同士の隙間(目地)が出ないよう、
一枚一枚、向きと密着を確認しながら張り込んでいきます。

特にグリーンでは、
わずかなズレが仕上がりに直結するため、
スピードよりも精度を優先します。

芝の根が砂多めなので形が崩れやすいため力を入れすぎてちぎれないようにしないといけません。

芝生の据え付けは木の板を使って真っ直ぐに調整するようにします。

気持ちは120%つめる(ぎゅうぎゅうに)つもりで
横同士はぎゅうぎゅうに押しこみ、
縦同士もぎゅうぎゅうに押しこみますが

押し込みすぎると端が盛り上がってしまうのでその部分を木の板で叩いて平らに調整します。


1枚から2枚張ったら真っ直ぐかどうか

目視して、ずれがあれば板で調整します。

転圧と散水

張り終えた後は、転圧をかけて芝と床土をしっかり密着させます。

その後、十分な散水を行い、芝が活着しやすい状態を作ります。

ここまでが、芝張り替え作業の一連の流れです。

完成

こんな風に仕上がります。

しっかり張れば1ヶ月くらいで
根付きます。

現場を通して感じた重要ポイント

今回の施工を通して、改めて感じたポイントは以下の通りです。

  • 芝生は「張る前の下地」が最重要
  • 用途によって芝の考え方はまったく違う
  • プロ施工では見た目以上に精度を重視する

特にゴルフ場グリーンでは、
仕上がり=性能になるため、妥協は許されません。

一般家庭の芝張り替えを検討している方へ

今回のようなグリーン施工は特殊なケースですが、
芝生張り替えの基本的な考え方は、一般家庭でも共通しています。

  • 芝の種類選び
  • 下地づくり
  • 張り替え後の管理

これらを間違えると、数年後に後悔することも少なくありません。

芝生の張り替えについて体系的に知りたい方は、
芝生の種類・張り替え方法・費用をまとめた解説記事も参考にしてみてください。

まとめ|施工実例から伝えたいこと

芝生の張り替えは、単に芝を並べる作業ではありません。

  • 用途に合った芝選び
  • 下地づくりの丁寧さ
  • 施工後を見据えた判断

これらすべてが揃って、はじめて長くきれいな芝生になります。

この記事が、芝生張り替えを考えている方の参考になれば幸いです。