こんにちは。
結構ガーデニングや庭いじりをかじっている方からいただく疑問なのですが
ハナミズキとヤマボウシの違いがよく分からないといったものです。
なぜこのような疑問がでたかと言いますと、この二つの樹木は非常に似ていてぱっと見では違いがわからないからです。
ハナミズキ、ヤマボウシの違い
ハナミズキの特徴
こちらはハナミズキです。
ハナミズキは、ミズキ属に属することと花が日本のミズキという樹木よりも美しく目立つことから名付けられています。
別名はアメリカヤマボウシと言い、アメリカ原産であることと日本の近縁種であるヤマボウシに似ていることからこう呼ばれています。
ハナミズキは、日本の桜(ソメイヨシノ)をアメリカの首都であるワシントンに持ち込んだことで、その交換の品として贈られたものだと言われています。
また、英語では「犬の木」を意味する dogwood (ドッグウッド)と呼ばれています。
この語源には諸説あり、といわれていますが、一説には1600年代から1700年代(17世紀頃)に樹皮の煮汁が犬の皮膚病予防に使用されたためと言われています。
ヤマボウシの特徴
こちらがヤマボウシです。
ヤマボウシはハナミズキ同様ミズキ科ミズキ属に属しています。
ヤマボウシの名前の由来は、枝先の中心に多数の花が集まる頭の花を法師(僧兵)の坊主頭に、花びらに見える白い葉のようなものを白い頭巾に見立てたもので、「山に咲く法師」(山法師)を意味するといわれています。
ヤマボウシが日本古来の品種で、ハナミズキが外国からの品種という事になります。
どっちも同じじゃない?全然違いがわからないや!
そうなんだ!ぱっと見では全然違いがわからないほど似ているんだ!
どちらも非常に似ていることがお分かりいただけたかと思います。
さらに二種が似ていると言われる所以があります。
ハナミズキ、ヤマボウシの類似点
1.葉、花の形
2.秋の紅葉
ハナミズキ、ヤマボウシは葉や花の形が非常に似ていて遠目からでは見分けがつかないほど似ています。
特に葉っぱなんかはどっちがどっちかプロでも迷うほどです。
確かにそっくりだね!
また、同じミズキ科であることから秋に紅葉する点も似ている点になります。
紅葉の時期は大体一緒のためこれまた判断が難しくなります。
そんな似ている樹木の二種類ですが選ぶ際に間違えやすいというデメリットもあります。
そこでこの二種類の簡単な見分け方を解説していければと思います。
ハナミズキとヤマボウシの見分け方
非常に似ているこの2種類ですが簡単に見分ける方法が2つあります。
1.樹皮で見分ける
2.花の時期で見分ける
1つ目は樹皮の違いによって見分ける方法です。
遠目から見てしまうと全然区別がつかない二種ですが、
近づいてみて樹皮をよく見てみると違いに気づけるかと思います。
こちらがハナミズキの樹皮
こちらがヤマボウシの樹皮
御覧の通りで、ハナミズキの樹皮は網目状に張り巡らされていて、ゴツゴツとした印象があります。
一方ヤマボウシは、樹皮に線が少なくつるつるとして綺麗な樹皮になっています。
これが一つ目の見分け方になります。
この方法はすぐに違いを見分けることができるいわば即効性がある方法なので、ためしてみてください。
ホントだね!樹皮を見ると全然違うことがわかるね!
二つ目は花の時期で見分ける方法です。
ハナミズキは開花の時期が5月頃であるのに対し、ヤマボウシは、それから1か月先の6月頃に開花すると言われています。
そのため、5月に花が咲いているのはハナミズキ、6月はヤマボウシと判断することができます。
さらに、ハナミズキはピンクや白、濃いピンクなど花色が豊富であるのに対し、ヤマボウシはほぼ白のみなので、そこも判断基準になるかなと思います。
実は白い部分は花じゃないんだ。花は真ん中の緑の部分だよ!わかりにくいね。
ハナミズキ、ヤマボウシの剪定方法
二種の違い、見分け方がわかったところで次は管理、剪定方法を解説していきます。
いざお庭に植えて楽しもうと思っていても枝が伸びて見た目が悪くなっては楽しみも半減してしまうと思いますので、剪定方法などは知っていただければと思います。
ハナミズキ
ハナミズキは樹自体はそれほど成長していく樹木ではなく、枝の伸びも他の落葉樹などと比べて穏やかなのが特徴です。
そのため、あまり剪定を施さなくても自然と樹形がまとまっていく樹木となります。
水やり、肥料はほとんど必要ありません。
ハナミズキはこれくらいの枝の伸び(生育状況により伸び方に変動あり)
それほど大きくならないとはいえ、放置しておけば5メートルは超えていく樹木なため庭で育てるにはこまめに要らない枝を切ることで大きさを調整します。
剪定は非常にシンプルであまりにも外に出すぎていて長すぎる枝を自分が思う理想の輪郭線(できるだけ枝元にある細かい枝を残すと大きさを抑えられます。)で切り戻してあげるといいです。
そうすることで樹がコンパクトにまとまります。
剪定でやってはいけないことはやみくもに枝を落とすことです。
枝が出すぎているからといって枝を途中で切ったりするのは樹を弱めたり、将来いらない小枝がたくさん吹いてきて管理しづらくなります。
刈込みたいなやり方をしないという事ですね。
ヤマボウシ
水やり肥料はハナミズキ同様ほとんど必要ありません。
ヤマボウシはハナミズキと比べて枝が大量に出てぼさぼさになります。
これくらい毎年ボサボサになると思って良いです。
それほど大きくなるわけではないのですが枝が増えるので、木がこんもりして見えるため大きく見えてしまいます。
ヤマボウシに関しては必要な枝は無数に出ている新しく出た強い枝ではなく枝元の方にある細かい枝なのでそれを残すようにしてあとは切って処理してしまいます。
外から見るとどれを切ればいいか迷いますが、そんな時は枝元をみて枝元付近の小枝を残すという事を意識します。
簡単に言うと赤のラインより出ている枝を元までたどり、その枝を元から切れば良いのです。
そうすることで樹は小さくコンパクトにかつ枝数が減ってすっきりし、樹も適度に透けて綺麗な仕上がりになります。
無駄な枝を切ることで樹に行きわたる養分が小枝に分散されますのでその翌年以降の枝の伸びが抑えられるため剪定の労力が少なくなります。
切り戻しや切り詰めの解説はこちら↓
庭木にさらにオススメの仲間
ハナミズキ、ヤマボウシに関して解説してきましたが、昨今のガーデニングブームからこの二種の仲間でより庭木に特化した育てやすく映える種類がありますので紹介します。
常緑ヤマボウシ
普通のヤマボウシは落葉樹なのに対し、常緑ヤマボウシはその名の通り一年中葉を落とさない常緑の品種になります。
ヤマボウシのような樹姿で唯一葉が落とさないため落ち葉掃除の手間を省いてくれることが庭木に人気の理由です。
最近でもお庭に使われているのをよく見かけるようになりました。
まとめ
ここまでハナミズキ、ヤマボウシの違いや管理等について解説していきました。
簡単な見分け方として、樹皮と花の時期で判断するとわかりやすいです。
剪定に関してはハナミズキよりもヤマボウシのほうが枝がぼさぼさになる傾向が強いため、ヤマボウシはこまめな剪定を推奨します。
とてもよく似ている二種だけど細部まで行くと全然違うことがわかったね。
もしご自分で選ぶ際は上記を参考にしてみてね!
最近は常緑ヤマボウシをはじめとしていろいろな交配種等も出てきていますので、自分のお庭の様子と照らし合わせてお気に入りを見つけてみてください。