庭師が教える樹木(ヤツデの特徴と剪定の仕方)編

お世話になっております🙇

樹木には当たり前ですが高く成長するものやそれほど大きくならないものとありますが今回はそれほど大きくならない樹木があるので紹介していきます。

今回はヤツデという樹木です。

ヤツデは葉っぱが手のような形をしています。それが8つあるからヤツデもといいたいところですが実際は7、9つというのが事実です。丈夫なので庭木としてもよく植えられます。古人は魔除けの意味で庭に植えていたともいわれている縁起物の樹木です。

葉を乾燥させたものは「八角金盤」と呼ばれる生薬になり、去痰などの薬として用いられます。しかし、葉などにはヤツデサポニンという物質が含まれ、過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こしますので注意します。

また、葉を刻んで浴湯料として風呂に入れると、リウマチに効果があるとされます。

昔は殺虫剤として用いていたこともあります。

剪定ですが、春から夏にかけて思いきって古い枝を短く切り詰めます。萌芽力が強いので強めに切っても心配ありません。切り口付近から新芽が発芽して1~2年後にはコンパクトな樹形に整います。

ヤツデが起こしやすい病気は黄色紋羽病、炭そ病、黄斑病などがあり、黄色紋羽病は、若木や苗木の地上部が急にしおれ、葉は水気が抜け黄緑色になって下垂します。葉の縁部から発病し葉枯れ症状となる炭そ病で葉に斑点が生じるのが黄斑病です。

害虫はあまり見られませんが、乾燥気味のところではカイガラムシが発生しがちです。

庭師のお仕事 (イヌシデ〈ソネ〉の強剪定とは?その特徴も解説)編

お世話になっております🙇

公園剪定真っ只中です。今回は毎年手をつけるわけではなく、実に3年程放置をしてしまったイヌシデ(ソネ)を思い切り小さくします。

とてもノコギリだけでは枝が太すぎるためチェーンソーを使っての手入れになります。

大体高さは5メートルくらいなので上部は脚立では届かないため登っての作業となります。

木に登ってのチェーンソー使用となるため注意しなくては行けないことがあります。

1.誤って落下しないよう足場を確保し、安全帯を使用する。

木に登っての作業で一番気を付けなくては行けないことは木から落下することです。落下することにより大怪我をしたり、酷いときには死に至ることもあります。それを防ぐために、まずは両足が必ず枝に乗っているかどうか。理想は両足と背中と三点で支えられていればベストです。それプラス安全帯の使用です。木に巻き付ける事で誤って落下したときに巻き付けた木に宙吊りになるので地面に激突するのを防ぐことが出来ます。安全帯は腰に巻き付けますが正しい位置に身に付けないと吊られたときに内蔵を圧迫してしまいます。特にお腹に近い位置に身に付けるのは危険です。また、腰の下の方に着けてもスルッと外れて落下しますので必ず骨盤の上らへんに身につけます。

最近ではその安全帯よりも多くの支点で体を支えるハーネスの着用を義務付けてきています。使用には講習を受けなくては行けませんが安全帯よりもさらに安全かつ体への負担が少ない構造になっています。少し動きづらいのが難点ですが安全面ではかなり信頼が持てます。

2.チェーンソーのエンジンをかけっぱなしにしない。

次に怖いのが誤って体をチェーンソーの刃で切ってしまうことです。枝を切ったら地面に落下させるのですがそのときには必ずエンジンを切って落とすようにします。普通アイドリング時には刃は止まっていますが誤ってアクセルに枝などが触れたりする恐れがあります。また安全レバー(レバーを押すことでアクセルを吹かしても刃が回らなくなる)というものも着いていますので枝を切る作業の時以外は必ず刃を回らない状態にします。

3.枝を落下させる際は必ず安全を確保する。

枝を落下させるときには下に人や物がないかを確認してから落とすようにします。枝も中々の重さなので物に当たったら壊れますし、人に当たったらそれこそ大怪我をしてしまいます。必ず回りへの配慮を心がけます。

チェーンソーの剪定後と剪定前になります。

手前はチェーンソー剪定後です。後ろの剪定前と見比べて見ると大分高さを落としていることがわかります。

これは休眠期に入っていて芽吹きが比較的強い落葉樹だから出来ることで常緑樹では中々出来ないことです。

これだけ切ってもまた葉が繁り、あっという間に大きくなってしまうので木の成長が力はすさまじいですね!

最近、依頼があったのですが

イヌシデが一本枯れてしまったとの事で伐採を行いました。

上部の写真がイヌシデの切り株で下部がチェーンソーで切った幹になります。

伐採してみて何で枯れてしまったかがわかりました。

恐らく、伐採した幹に無数の穴が空いていることからテッポウムシ(カミキリ虫)の被害を疑います。

テッポウムシはモミジなどに多く入りやすい害虫で

木に穴を空けて侵入し、根っこから幹内部を食害しスカスカにしてしまいます。

もうスカスカになると手遅れで徐々に枯れが入ります。

テッポウムシは厄介で中々存在に気づきにくいのが被害拡大の大きな原因です。

こちらにも詳しく記載しているので参考にしてください。↓

庭師が教える剪定(サワラの特徴や剪定方法を解説)

お世話になっております🙇

今回は少し広めの公園にて剪定作業を行って参りました。

公園の敷地が広いためある程度高さのある樹木が多めに植えられております。

その中で剪定した樹木はサワラになります。

サワラはヒノキやマツなどと同じく針葉樹という種類に分類される樹木で特徴的な葉っぱが印象的です。

ヒノキよりも軽く軟らかいため建築材や器具材に利用されます。サワラの語源もヒノキよりもさわらかであることに由来します。水湿に強く桶やたらいなどによく用いられます。殺菌作用があるため、松茸など食品の下の敷物としても使われます。

枝はヒノキほど茂らず、枝と枝の間隔が広くなるため、遠くからでも幹がよく目立ちます。葉の付き方をみるとヒノキよりも隙間が多いです。葉の形状もヒノキの葉の先端は丸く葉裏の白い気孔腺がY字なのに対し、サワラの葉は先端が尖っていて葉裏の白い気孔腺がX字であります。

剪定ですが枝先から何本も枝が出ているのでその中で長いものは全て取り除きます。残すのはその中でも小さく放射状に伸びている小枝で、それを各枝ごとに作っていきます。

具体的に見ていきましょう。

密集しすぎて分かりにくいですが剪定前の枝先です。

この中で長いものを取り除き、小さい枝を何本か残します。

こんな感じです。

これを各枝に行っていくことでもっさりしたサワラからスッキリしたサワラへと生まれ変わります。

注意点ですが枝の中ほどに細かい枝が出ていますがこの枝は全て切り取らず残しておくようにします。

理由てしては将来木を小さくしたいときにこの部分に枝が残っていればこの位置まで詰めることができます。仮にすべて切り取ってしまうと2度と吹いてこないので何年も枝先の枝のみで形を作らなくては行けません。

そうなると段々コブのようになってきて木自体がゴツゴツしてきます。

また葉を残さないぶつ切りもしては行けません。木に葉っぱがのこっていないとこれから先枝葉が出てくることがなくなります。

このようにどこからでも吹いて来るわけではない樹木もあるので注意しましょう!

庭師が教える樹木(ナンジャモンジャとは?特徴と剪定方法)編

今回も公園樹木剪定になります。

前回は常緑樹の剪定をしましたので再び落葉樹を剪定していきたいと思います。

今回の樹木は

こちらの落葉樹です。

名をナンジャモンジャと呼びます。

なんじゃそれ?と疑問に思うかと思いますが列記としてそう呼ばれているのです。

ちなみに別名はヒトツバタゴと呼ばれます。

ナンジャモンジャは中国、台湾、朝鮮半島および日本などに分布形態をとります。但し植栽の樹木の実の種が野鳥に運ばれて着床して自生している自生の樹木を山林の中で観察することができます。成木で樹高は20mを超える大型の高木で、幹は灰褐色で縦に切れ目が入ります。

葉は長楕円形で4cm~10cm程度となり、長い葉柄を持ち対生します。花期は5月頃で、新枝の枝先に10cm程度円錐形のものをつけ、秋に直径1cm程度の楕円形の果実をつけ黒く熟します。

高木になるので公園木にはちょくちょく使われているようです。

ナンジャモンジャと名付けられる植物の樹種は、ヒトツバタゴのほか、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなど様々です。

ナンジャモンジャと称される理由について、民俗学では、元々は占いや神事に利用されていたもので、植物名で直接呼ぶことが憚られたものではないか、とみる説などがあります。

一説では、神木の前を通りかかった水戸黄門が この木はなんじゃ? と聞いたところ、地元の人が聞き取れず「ナンジャモンジャ」と返答して、木の名前だと勘違いして広まったという話がある用です。

剪定ですが落葉樹なのである程度強めに剪定をしていきます。

枝数が多く新しい枝が伸びていて見た目が悪いです。ボサボサ枝を多くだしている枝を元から取って枝数を少なくして、残した枝の枝先の小枝を生かして行きます。

枝先は切り詰めてしまって構いません。

剪定完了です。

枝数を少なくして残した枝の先端に細かい枝を残しました。

むさ苦しい感じがなくなり、まとまりが出たかなと思います。

ナンジャモンジャは夏期にはアメリカシロヒトリがついたりする樹木なので発生しだい殺虫剤を散布することで駆除が可能です。

オススメの殺虫剤はトレボンの乳剤です。非常に強力で幅広い害虫に効くので扱いやすいです。

また5月に咲く花は雪のようで非常に美しいです。

見る機会があれば是非見てみてください。

インターネットから引用

<樹木の種類> 陰樹の特徴と陽樹の特徴 違いも解説

お世話になっております🙇

この仕事をしていると多くの種類の木に携わることがありますが庭木に比較的人気のある樹木というのは大きく分けて2つあると言われていて陰樹と陽樹と呼ばれるようです。

陰樹 陽樹とは

陽樹とは

陽樹というのは生育に最低限必要な光合成量が比較的多いタイプの樹木の事を言い、簡単に言うと生育には太陽の光が必要不可欠だということです。

陰樹とは

陰樹というのは、光に対する要求が低い樹木の事を言います。簡単に言いますとそれほど太陽の光を必要とせずとも生育していける樹木の事です。

最低限必要な光合成量が少ないため、比較的暗い場所でも成長が可能です。そのため、陽樹が生育できないような場所でも生育が可能であると言われています。

一般的に陽樹は比較的よく日が当たる庭の正面などに多く使われているケースがほとんどです。

逆に陰樹は、庭の裏や高木の下と言ったように日が当たりにくいところに植えてあることが多いです。

比較的、常緑樹は陰樹の物が多いとされ陽樹は落葉樹が多いとされています。

陰樹の種類

陰樹の主な種類として

アオキ、アジサイ、カシ、ゲッケイジュ、サカキ、サザンカ、シイ、ジンチョウゲ、スギ、センリョウ、ツバキ、トチノキ、ナンテン、ヒイラギ、ヒノキ、ブナ、マサキ、モチノキ、モッコク、ヤツデ、などが挙げられます。

陽樹の種類

陽樹の主な種類として

アカマツ、イチョウ、ウメ、エニシダ、オウバイ、カキ、カシワ、カナメモチ、カラマツ、クリ、クロマツ、ケヤキ、ザクロ、サツキ、サルスベリ、シラカンバ、ソメイヨシノ、ツツジ、ドウダンツツジ、ネコヤナギ、ボケ、ボタン、ポプラ、ミカン、ムクゲ、モモ、などが挙げられます。

こうして見てみると陰樹は背丈が低いものが多い感じがしますし、陽樹は背が高くなる樹木が多い感じがします。

その樹木の特性によって樹木の形態も違ってくるのは非常に面白く興味深い点ですね!

剪定は?

剪定面で言いますと陽樹は強剪定でも耐えられる傾向があります。(マツは例外)

陰樹は葉っぱを多めに残して濃いめに剪定して管理すると良いです。ちなみに陰樹がスカスカになるほど薄い剪定をしてしまうと枯れてしまう物が多いと言われているのでご自分でやる場合は少なくしたいからと言って多く枝を切らないように気を付けましょう。

まとめ

ここまで陰樹、陽樹について解説していきました。

陰樹は日陰でも比較的育ち、 背丈がそこまで高くないもの。(例外もあり)

陽樹は日向を好み、比較的背丈が高くなるもの。(例外もあり)

このように理解しておくといいと思います。

この陰樹と陽樹の考え方は新たに庭に樹を植えたいとなったときに非常に重要になってくる考え方です。陽樹を日陰に植えてしまうとよく成長しませんし、陰樹を日当たりの良い場所ばかりに植えてしまっても庭全体のバランスが崩れます。

樹木を最大限生かすために樹の特性を知って庭木を管理していくことが大切になってきます。

<初心者必見!>庭師剪定(キンモクセイ透かし)

お世話になります。

個人邸のお手入れに行きましたがキンモクセイの手入れをして来ました。

キンモクセイですが大体は刈り込み作業によって形を整えるのが一般的な手入れになります。

枝が密になるため刈り込みがしやすく形も整えやすいためです。

しかし今回は枝同士をくっつけずに適度に離して樹木の中の枝を整理して中の幹がチラチラ見えるように透かしてくださいとのご要望でしたので透かし剪定をしました。

キンモクセイの手入れ

キンモクセイは大きく分けて3種類手入れの方法があります。

1 刈り込みのみで形を整える(刈り込み)

2 刈り込みで形を整えてから剪定する。(刈り込み剪定)

3 最初から剪定して透かす(剪定)

今回は3番目の方法で剪定しました。

剪定方法(3の方法)

方法としてはあらかじめ輪郭を設定してその輪郭にあわせて方向の良い枝を何本か残します。

枝数が非常に多いためどの枝を抜いていいか迷って手間がかかりますがあくまで方向の良い枝を何本か残し逆方向に伸びている枝や明らかに勢いが強い枝は取り除きます。

輪郭から内側の枝はある程度取ってしまうとスッキリします。

キンモクセイは萌芽する力が強いため輪郭を合わせるために中芽で切っても良いです。

しかしこのように説明をしていてもわかりづらいと思います。

次に挙げる2番目の方法が一番実践しやすいかと思います。

刈り込み剪定方法(2の方法)

いわゆる刈り込み剪定とよばれるものです。

ある程度形を整えてから剪定するため形を崩すことなく透かし剪定することが出来ます。

どういう意味かと言いますと

あらかじめ刈り込むことで輪郭がくっきりでるため切る枝がわかりやすくなる利点があります。

普通の透かし剪定より難易度が低いため初心者の方や慣れていない方はこの方法を使うと非常に美しく仕上げることが出来ます。

抜く枝も3の方法と同様で逆方向に伸びている枝、明らかに太さが違う枝、絡んでいる枝などを取り除きます。

輪郭が揃っているため処理する枝は内部のみになるのでわかりやすくなります。

その他の方法(大きく切る)

同じ樹木でも手入れのやり方が変わりますが金額の関係や時間の関係で調整することが出来ます。

低コストで綺麗に見せたい場合は圧倒的に刈り込み作業のみが早いし安いです。

少々金額と手間がかかっても良いという場合は透かし剪定で日が当たるように美しく仕上げます。

もちろん透かし剪定のほうがメリットも大きく、

刈り込み作業の場合は作業自体は早いのですが表面だけを刈り揃えるため年々樹木自体が大きくなっていってしまいます。

逆に透かし剪定の場合は枝数を減らして細かい枝に更新しているため刈り込みで仕上げるよりも大きさを押さえることが出来ます。

よくお客様の話で、キンモクセイが大きくなりすぎたので小さくして欲しい。というご依頼がありますがこれは年々刈り込みでしか手入れしていなかったかそのまま放置していた可能性が多いです。

その場合は小さくすることも出来ますが時期を間違えないことが大切です。

樹木を小さくするいわゆる強剪定に適した時期は芽吹きが始まる3~4月くらいがベストだとされています。

これは樹木の活動が活発になり始めるため少々強い刺激を与えても耐えられるからと言われています。

ちなみに植栽などもこの時期が適していると言われています。

小さくする方法としては一般的には頭の部分(天端)の部分を好みの高さまで切り詰めます。その場合は頭に葉が残らず坊主になりますがこの時期に行えば問題なく新しい芽が芽吹いて来ます。

ただ注意して欲しいのは全部葉がなくなるほど切っては行けないと言うことです。

よくこのような剪定がされているキンモクセイを見かけますが下手すると枯れてしまいます。

セオリーとしては木の横はギリギリ葉っぱは残しておかなければ行けません。

下記は透かし剪定によるキンモクセイです。濃さの参考にしてください。

いくら芽吹きが強いとはいえ常緑樹なため蒸散等のバランスが崩れます。

3~4月の時期なら比較的大丈夫とも言われていますがリスクを回避するために必ず葉は少し残すようにします。

樹木の種類によって色々なやり方がありますがやり方を間違えると大切な樹木が大変なことになりますので必ず専門家に相談してから行動すると良いでしょう。

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ツバキの剪定(ツバキの透かし剪定 小さくするやり方を解説)

お世話になっております🙇

今回は先週からお手入れに入らせてもらっている個人邸のお手入れにてツバキを剪定してきました。

もう何年も手入れをしていなく、放置されていたのでできるだけ小さくしてほしいとの事でした。

本来は花芽が付いているため強めの剪定はあまりしないのですが花芽は構わないとの事なので思い切り小さく透かします。

作業前です。

見るからにもっさりしていかにも放置してました感がすごいです。

こうなってくるとどこまで切り詰めて良いか迷うところですが樹木の頭から幹に近い所にある小さな枝を残すようにします。その周辺にある明らかに勢いの強い枝は元から取ってしまいます。

この状態になると明らかに枝数が多いので強い枝は取ってしまうようにして枝数を減らしで中の小枝を多く残すようにします。

小枝を残すとある程度輪郭が整ってくるので後は明らかに濃い場所の小枝を調整します。その中でも方向の悪い枝や長い枝を抜きます。長さ調整で長めの小枝を切り詰めても良いです。

大まかな剪定順序

1 樹木の頭から幹元に近い所の小枝を残す。

2 その周辺にある作りたい輪郭から明らかに強く長い枝は元から取る。

3 ある程度強い枝を取ると細かい枝の輪郭が出てくるので方向の悪い小枝、長い小枝をとったり切り詰めたりする。

これらを頭から順々に行っていくことで樹木自体がコンパクトに透けてくると思います。

説明では中々難しいですが慣れるためにはとにかく切ってみることだけだと思っています。

剪定後です。

もっさりしていたものを中の小枝を残すことを意識したことでコンパクトに透かすことができました。

ツバキは萌芽力があるため刈り込みでも形を整えられますが透かしたほうが枝が暴れにくくなりますし風通しも良くなり害虫の発生も防ぐ事ができます。ちなみに剪定している際に害虫がいた形跡を発見しました。

ツバキの代表的な害虫と言えばチャドクガですね。

葉を食害し人が近くに行ってしまうと毒針で皮膚がかぶれ、痒みが出ます。

これまた厄介でもし被れた患部を掻くようなら毒針が広がりさらにかぶれが広がってしまいます。

対処法として

出来るだけチャドクガに近づかないこと

もし痒みを感じたら50度くらいのお湯で患部を洗い流す。

毒針(毛)は熱湯によって溶けるためひたすら患部は洗い流します。

酷いときは医療機関を利用する。

このように害虫の被害を防ぐためにも透かすことは大切なことと言えます。

ただ、刈り込みに比べて時間がかかるのもまた難点でお客様と相談して金額面なども調整していく必要があります。

庭木の種類(ドウダン、ヤシオ ご自宅でも綺麗にお手入れする方法も解説!)

お世話になっております🙇

個人邸の手入れを行っていると似たような樹木に出くわす事もしばしばあります。

ドウダンとヤシオも似ていると言えます。二つともツツジなのですが似ているのに手入れの仕方が一緒ではありません。

インターネットから引用

ドウダンツツジです。

ドウダンツツジは白い花を咲かせ、秋には紅葉する扱いやすい樹木で葉が散ってからも枝振りが美しいとされ庭木に大人気です。

普通ツツジ系は萌芽力が強いため時期を間違えなければ刈り込みなどでも形を揃えることが出来ます。

そんな庭木に人気のドウダンツツジですが育てやすさから生け垣や玉物として植えているお宅も非常に多いです。

ご自分で手入れされることもあると思うので刈り込みを綺麗に仕上げるコツを解説します。今回は玉物を例に解説します。

刈り込み作業のセオリーとして

①最初に刈る高さを決める

手を入れる前の玉物は枝が爆発するように上に伸びているものがほとんどですこれを伸びる前の高さに刈り戻しますちょうど葉っぱが少し残るくらいの位置がいいでしょう。

葉っぱが落ちて無い場合は赤い芽が出てきているのでそこよりも下で刈ります。

刈り込み鋏を当てて左手を固定して右手だけを動かしますこの時力を入れすぎると表面がガタガタになり見た目が悪くなるので軽くリズムよく刈り込むことを意識してください。ハサミ全体をつかって刈り込むと効率よく仕上がります。

注意点❗

かかり枝を取り除く

かかり枝は切った枝が刈った木の上に引っ掛かっている状態の事で

何が問題かといいますと

将来的に刈り取られた枝は枯れます。

それが木の上に残っているとせっかく綺麗に刈り込んだ木の上に枯れた枝が散らばり物凄く見た目が汚くなります。

玉物を刈り終えたらかかり枝を全て取り除くのですが

特に落葉したあとに枝を刈るとかなり大量の枝ゴミのかかり枝がつきますので

手で取り除き、木の中のかかり枝も取り除くように意識することが大切です。

②塗り絵のように

例えば塗り絵をするときは端から塗り始めて徐々に広げて行きますね。

それの要領で刈り込みも端から徐々に広げて行きます。そうすることでムラなく刈り込めます。

③角は少しハサミを斜めに入れる

玉物は丸みをつけてこそ綺麗に見えます。

ただハサミの角度からいって丸く作るのは少し難しいです。

一番仕立てやすいのは側面や天端を真っ直ぐ刈り、斜めの部分は刃を↗️や↖️の方向に傾けて刈ります。

角を削り取るイメージで仕上げると良いです。

④裾の部分を真っ直ぐにする※綺麗に見せるために一番大切なこと

上部、側面 斜めを綺麗に刈っても下部の部分(裾といいます)

が揃っていないと美しい仕上がりにならないので少しやりずらいですがハサミを入れて真っ直ぐに揃えるよう意識します。

白の部分が になります。

青の部分は斜め部分で角を削るように青の角度で刈り込む事で綺麗な丸になるのです。

綺麗に刈り込まれたドウダンツツジ

続いてヤシオツツジの手入れですが、ヤシオツツジに至っては刈り込みあまり適しません。

刈り込みをしてしまうと花が咲かなくなったり、柄だが枯れてしまったりと弊害が出てきます。

本来はあまり手を加えずに自然においておくのが良いとされていますが、どうしても大きくなるときは本当に長い枝を抜くようにします。

インターネットから引用

ヤシオツツジです。

ヤシオツツジは夏前に白い花を咲かせますがドウダンよりも大輪なのが特徴です。

花が咲いたり、葉があるときにはそれほど似ているわけではないのですが、この時期には葉っぱを落とすので表面だけ見たら一瞬見分けが付かないほど似ています。

見分け方とすれば幹肌です。

ヤシオは幹にシワのようなものがあります。

ドウダンツツジはそこまでシワがないのが見分けポイントです。

表面だけで判断すると誤ってヤシオも刈り込んでしまう恐れがあるので気を付けます。

よく見ればわかるのですが枝が伸びて密集していると意外とわかりにくいものです。

2種の樹木はよく似ていますが

手入れのしやすさから見ると

ドウダンツツジ 初心者に優しい

ヤシオツツジ 上級者向け

となります。

ただ前述の通りヤシオツツジはそれほど手入れを必要としないので管理上の手間はそれほどかからないと思って大丈夫です。

お好みがきっと見つかる↓

仮にお手入れにて管理して行く場合

綺麗な状態を保っていくのですが

繊細なヤシオツツジはひょんなことから枯れてしまうことがあります。

丈夫な木ではあるのですが

水切れ

寒さ

肥料焼け

等には注意します。

また酸性土壌を好むヤシオツツジはアルカリ性の土壌に変わっていくと

枯れやすい傾向があります。

お手入れだけでなく

色々な角度から樹木を見てみると

見えてくるものもあります。

樹木の元気を取り戻せ↓

透かし剪定(スダジイ編 シイ類の剪定方法を解説します!)

お世話になっております🙇

コロナの恐怖に怯えながら年の瀬のお手入れに励んでいる今日この頃です。

今回はスダジイを剪定しました。

こちらですね。

一年に一度手入れしているので新しく出た強い枝が吹いています。

スダジイはこの時期にも葉っぱが付いていますので常緑樹になります。

よく公園や庭園に植えられている樹木で、高さも放置しておくとかなり大きくなります。

なので植えるには充分なスペースが必要となります。

また材が硬く、耐潮性が強いため海辺にも使われたりすることもあります。丈夫で日本では幹周が10mに達するにまで成長したものも確認されているようです。

成長すると樹冠がドーム型になると言われていてスダジイ林を上から見てみるとブロッコリーに見えるという面白い特徴があります。

さらにドングリがとれる木としても有名です。

ドングリが取れる木はいくつかあります。

その中で美味しく食べられるドングリやあまり食に適さないドングリがあることはご存知でしょうか?

いくつか紹介していきます。

コナラ、ミズナラから取れるドングリ

一般的なドングリはこの樹木から取れると言われていますがタンニンと呼ばれるアクが豊富に含まれていて生食には適さないと言われているドングリです。使用する際はアク抜きを良くして粉末状にして料理に入れることがあるようです。

シイ、マテバシイなどのドングリ

これらは比較的タンニンが少なく生でも食べることが出来るドングリです。

特にマテバシイから取れるドングリは縄文時代にクッキーにして食べられたとされる逸話があるほど美味しいとされています。

街を散策してこれらの木を見つけたらドングリを拾って食べてみてください(笑)

さて肝心の剪定ですが述べた通り新しく出た強い枝を詰めて枝元の方の細かい方向の良い枝を残すように剪定します。

残したい場所に小枝がなかったり方向が悪い枝しかないときは太い枝を途中で切り詰めるのもオッケーです。

こちら剪定後です。

枝葉は残しめでチラチラ外観が透けて見えるくらいの濃さで剪定しました。

あまり枝数を少なくしてしまうとより強い枝がたくさん出てきやすいので栄養分が各枝に分散するように枝を多めに残しました。

切りすぎて枯れてしまうのも問題ですが切りすぎてさらに強く出てくるのも大変です。

木の特性を生かして剪定法を変えていく必要があります。

庭師の剪定(クロマツ編)

お世話になっております🙇

今回は庭木の王様として知られるクロマツの剪定です。

よくマツは難しいと言われたり手間がかかると言われます。

確かに芽を一つ一つ揃えるためしっかりやれば手間と時間はかかってしまいます。マツは金食いムシと言われるのはこれが所以です。

確かに慣れない場合はどこをさわって良いかわからずにやみくもに切ってしまって芽が出てこなくなってしまうと言ったことから難しいと言われているのかもしれません。

しかし切り方を覚えれば意外と簡単に剪定できます。

こちらが剪定前のマツです。

マツの剪定には大まかに二つあって切り透かしと呼ばれるものと子芽や孫芽まで切り詰めるやり方です。

今回は二つ目の切り詰めるやり方でで剪定します。

この部分を綺麗にしていきます。

写真をよく見てみると赤○と青○で囲まれていると思います。

子芽や孫芽に切り詰めるというのは赤○の芽を青○の芽まで切り詰めるということです。芽を更新してやることで大きさも小さくなりスッキリ仕上がります。

切り詰めた後がこちらです。

芽数が減りスッキリとしたと思います。これを枝先毎に作っていく事がマツを手入れしていくということです。

芽数を減らしてスッキリと仕上がりました。

このやり方は非常に手間と時間を要しますが完成すると風格のある美しいマツに仕上がります。

そうなるとやはり心配なのは金額だと思います。手間と時間をかけることで金額が跳ねてしまうのはよくあることです。

そこでそんなに手間をかけないでとりあえずスッキリすれば良い。

という場合は最初の切り透かしが有効になります。主に公園などのマツには工期の関係で切り透かしをすることが多いです。

切り透かしは芽を残すというよりは枝自体を減らして空間を開けてスッキリさせるというイメージです。

一般の樹木の剪定の透かし剪定のような形で仕上げます。

こちらは切り透かしが必要となった枝が太くなったマツになります。

この場合とにかく強い枝は元から切ります。

残すのは小さい枝 芽だけです。

とにかく強いものは取り除きます。

切り透かし終えたマツ。

このやり方であれば手間と時間をそれほどかけずとりあえずスッキリと仕上げることが出来ます。

ただ強い枝が出やすくボサボサになりやすい注意点もあるので予算などを吟味してやり方を調整することが大切です。

全体が完成しました。

慣れてみないと難しいですがご自分で手入れをしたいという方は何度も繰り返しやって見てください。