モチノキ 透かし剪定(小さくする剪定 庭師が解説)

お世話になります!

昨今庭木の代表としてよく見かけるモチノキという樹木があります。

中心の大きい木がモチノキです。

特徴としては一年中葉が落ちることのない常緑樹です。

葉っぱはさわるとスベスベしています。

このように生育が旺盛であっという間にこれくらいの高さにまで成長してしまいます。

そのため出来るだけ樹木自体を小さくしたいとのお客様からの要望を頂きました。

今までは刈り込みバサミを使うことによるお手入れで手入れを行い形を整えて来ましたが

刈り込みのコツはこちらを参考に↓

https://garden52.net/263/

葉っぱを残すようにお手入れしていたので半年もするとこのように生い茂って圧迫感が出てきてしまいます。

そこで極限まで小さくするために枝抜きと葉っぱがなくなるくらいまでお手入れすることにしました。

今までは枝の大小に関わらず刈り込んで整えていました。

今度は枝の塊の中でも本当に小さい枝を残して太めの枝は抜いてしまうようにしました。

太い枝に比べて、細い枝の方が緩やかに成長して行くため伸びも抑えられるし、

適度に透けて見えるため見た目がよりきれいになり、庭が広く見えるようになります。

すなわち圧迫感がなくなるということです。

しかしこの剪定方法

仕上がりはスッキリとしますが

いくつか注意点があります。

1.寒い時期や暑い時期には行えない

このような剪定は木に大幅にダメージを与える剪定でもあります。

寒さが厳しい時期や暑さが厳しい時期に行うとたちまち木が弱り、枯れてしまえ恐れがあります。

そのためベストは3~4月の暖かくなり始めたかな~という時期がいいです。

正直この時期での施工はギリギリと言えるでしょう。

2.手間がかかる

剪定作業は刈り込み作業と比べて手間がかかる傾向にあります。

枝一つ一つを揃えていかなければならないからです。

モチノキは特に枝の数が多くこの木を仕上げるのに職人3人で木に登り半日を要しました。

仕上がったモチノキです。

刈り込みバサミで整えるモチノキも綺麗ですが

剪定で仕上げたモチノキもまた違った味を出しています。

プロの技を体験する

庭師のお仕事(大きくなりすぎた樹木の高さを縮める 方法や時期などを徹底解説 アベリア ユキヤナギ レンギョウ コデマリ)

お世話になります。

皆様はご自宅や公園などで木を見かけたさいにはこう思ったことはありませんか?

枝が伸びすぎ 広がりすぎ お隣の敷地に入ってしまっている 大きくなりすぎて手入れがしにくい

こういった悩みや声を聞くのは非常に多いです。

植えたときは小さかったのに…

そうです!樹木は条件が良ければ想像を遥かに越えた生長をしていきます。

今回は私たちが行ったそんな樹木の高さを下げる方法やリスク、大きくなりやすい樹木を紹介していきたいと思います!

□生育がよく枝が広がりやすい樹木

・アベリア

春から秋にかけて鐘形の小さく白く、香りの良い花を咲かせます。

その花には蝶や虫などが蜜を吸いに来るほどです。

インターネットから引用

少し赤みのかかった枝が無数に勢い良く飛び出して来るのが特徴で、2メートルを越える物もあります。

芽吹きが強く、葉も無数に生えていることからハサミやトリマーによる刈り込みで形を整えるのが一般的です。

・レンギョウ

花は黄色く美しく、花後も緑の葉っぱが鮮やかな樹木です。

生育も良く、病害虫も着きにくいので庭いじり初級者のにもお勧めです!

インターネットから引用

こちらも芽吹きがよく、無数の枝葉が繁るため刈り込みハサミやトリマーで形を整えます。

・ユキヤナギ

春に小さな白い花を咲かせることでこの名がつけられました。

大きくなると1.5mほどの高さになります。地面の際から枝が何本にも枝垂れて、細く、ぎざぎざのある葉をつけます。花は、3月から5月にかけて、5弁で雪白の小さなものを枝全体につけます。

インターネットから引用

・コデマリ

高さは1.5mになり、枝は細く、先は枝垂れます。葉は互生し葉先は鋭い。春に白の小花を集団で咲かせ、この集団は小さな手鞠のように見え、これが名前の由来となっています。

インターネットから引用

どうしても葉っぱが残るところで刈り揃えたい心理が働くので年々高さは大きくなって行きます。

こうなってくるとお手入れも大変になってきますのである程度の大きさで高さを詰めてやることが大切です。

□高さの詰めかた

①トリマーを使って少しだけ下げる

この方法は高さは下げたいがあまり形が崩れるのは避けたいという方にお勧めです。

もちろんハサミでも代用できます。(時間はかかります!)

方法はいたってシンプルで

樹木の上部を葉っぱがなくなってもいいのでお好みの高さまで下げるように刈り込むです。

こうすると頭だけは葉っぱがなく枝のみの状態になりますがあまり形を崩すことなく高さを詰めることができます。

②形が崩れてもいいので半分もしくはその下まで下げたい。

この方法は太い枝を切るために使う道具を変える必要があります。

ホームセンターなどでも販売している太枝切りハサミとノコギリです。

枝はだんだん根元に行くに連れて太くなって行くのでトリマーやハサミでは切れなくなってきます。

そこで太枝ハサミやノコギリで詰めたい高さの位置で枝を切ります。

□高さを下げることでのリスク

一度に多くの枝葉を切るために木へのダメージが大きい。つまり枯れるリスクが生まれます。

そのため多くの枝を切る時は時期を選ぶ必要があるのです。

木の活動が活発になり始める芽吹きの時期である3~4月くらいの作業が一番木にとってダメージが少ないと言われています。

まとめ

枝葉が繁りやすい樹木

アベリア

レンギョウ

ユキヤナギ

コデマリ 他

施工方法

浅く小さくする方法

深く小さくする方法とある。

リスク

どちらも木にダメージを与えるので3~4月頃に施工する。それ以外の時期は枯れるリスクが高まる。

このようにただ小さくしたいというのでなく適した時期、タイミングを見計らって作業を行うことが大切になってきます。

庭師の樹木図鑑(ヒイラギモクセイって何?お手入れ方法の解説や類似樹木も紹介)

お世話になっております🙇

庭木として人気のある樹木の1つとしてキンモクセイという樹木があります。

キンモクセイは知名度も高いと思いますが、秋に小降りなオレンジの花を着けて香りを漂わせる樹木です。

香りを嗅げばすぐ近くにキンモクセイがあると分かるような強い香りを放つのが特徴です。

そんなキンモクセイの仲間でヒイラギモクセイという樹木が存在します。

樹形や枝振り、葉のつきかたなどキンモクセイに非常に似ているのですが絶対的な違いとして葉の形がヒイラギのようにギザギザしているというのがあります。

ヒイラギのように葉に触れると物凄く痛いわけではないのですがヒイラギよりも細かくギザギザがついているのでチクチクするといった感覚のほうが強いです。

ヒイラギモクセイも秋頃に花を咲かせて香りを漂わせますが、キンモクセイのように強い香りではありませんし、花の色も白なのが特徴です。

そんなヒイラギモクセイですが、お手入れをせずに放置しておくとキンモクセイ同様、どんどん葉っぱが繁り、大きくなっていきます。そうなると手入れも大変になってくるので年に1回くらいはお手入れをしたいところです。

ヒイラギモクセイのお手入れ方法ですが、刈り込み作業によって刈り揃えるお手入れ方法と枝数を減らして透かして仕上げる剪定によって分かれます。

まずは刈り込みによって仕上げるパターンを解説していきます。

刈り込みによって仕上げるというのは刈り込み鋏といった刃が長い鋏で刈っていく方法と、ヘッジトリマーで刈り込んでいく方法です。

どちらもあらかじめ輪郭を決めてその位置まで刈り込みことが共通項です。輪郭は各々好きな位置で構いませんが出来るだけ木自体を小さくする場合は葉っぱが残るか残らないかの位置まで刈り込むことが多いです。

ここで注意するのは葉っぱがなくなるほど刈り込まないことです。

ヒイラギモクセイは常緑樹なため急に坊主のように強めの手入れをしてしまうのは適しません。時期を間違えると枯れてしまう恐れがあるためです。春先の芽吹きの時期であれば強めの手入れでも吹いてくる可能性がありますが他の時期は葉っぱが残るくらいまでに留めておくのが無難です。

刈り込みでのお手入れは仕上がりも綺麗になりますし、作業時間も早くすみます。あまり時間をかけずに綺麗にしたい場合にはオススメの方法になります。

続いて枝を抜いて透かす方法です。今回はこちらの方法で手入れさせてもらったのですが葉や幹、枝がちらとら見えて美しくなります。

剪定の方法は刈りこみの手入れと比べて手間がかかるというのが難点です。時間をかけてもより美しくしたい方にオススメです。

透かすことでどんなメリットがあるかと言いますと、翌年以降の木の伸びに影響します。

刈り込みで仕上げる場合は早く綺麗に整いますが翌年新しく強めの枝が伸びて樹形を乱します。

一方透かし剪定の方は枝数を適度に減らして養分を各枝に分散させることが出来るのであまり暴れるほど枝が伸びなくなります。うまくいけば翌年は手入れする必要がないほど樹形をキープすることができます。

長い目で見たときには透かしたほうが良い場合があります。

ここで透かし剪定の方法を解説していきます。

刈りこみ同様輪郭を決めることが大切です。輪郭が決まってしまえばあとはその輪郭にあわせて枝先を揃えていけば良いです。

輪郭は出来るだけ小さくしたいので枝元に近い位置にある小さい葉っぱを残すと良いでしょう。ちょうど良い葉っぱがないときは徐々に枝先に向かっていって適度な大きさの葉っぱを残すようにします。

輪郭が決まったら後は必要のない枝を取っていきます。輪郭線よりも内側(枝元の方)に上に向いた枝や反対方向に向いた枝、隣とぶつかっている枝があるので取っていくようにします。輪郭よも中で残す枝は方向の良い枝のみにします。(中の方の枝を残すことで将来その位置まで切り詰める事ができる。)

それを各枝で繰り返していけば良いのです。聞いただけで途方もない作業となりますね。

注意点として必ず一ヶ所輪郭を決めることです。一ヶ所輪郭が決まってしまえばあとはその位置で合わせていけば良いのでガタガタな仕上がりになるのを防げます。

こちらが仕上がりになります。上記の方法を意識することで適度にチラチラした透かし剪定が完成します。

透かし剪定は確かに手間ですし、中々初心者がやることは難しいですが透かすことによるメリットは大きいです。

透かしたことで風通しが良くなりますので害虫や病気の被害も少なくなるのです。

ヒイラギモクセイをはじめとしてキンモクセイ系は害虫や病気が少ないと言われていますが発生することにより見た目が悪くなったりするのでどのような物があるか知っておく必要があります。

キンモクセイ系に発生する主な害虫

ハダニ類

ミカンハダニと呼ばれる赤い小さなダニの被害が見られます。葉の裏に寄生し吸汁することで吸汁痕が白い斑点になり、かすり状に色が抜け、葉全体が黄色っぽくなるのが特徴です。春から秋にかけて、高温で乾燥した状態で多発しますが、枯れることはないので安心できます。

ハダニ類を見かけた場合は専用の殺ダニ剤(よく使われるのはバロックフロアブルと呼ばれるもの)を10日おきに2~3回散布するとよいとされています。また食用に用いるデンプンを利用した薬剤もあるとされているので人体への影響を考えたら良いと思います。同じ薬剤ばかりを使うと抵抗性がついてしまうため、 同じ薬剤の連用は避けていくつかの薬剤を順番に散布するようにします。

乾燥には強いハダニ類ですが水に弱いため木自体に水を散水すると被害が軽減できます。

発生を抑制するには冬場にキンモクセイの近くに植えてある落葉樹などにマシン油や石灰硫黄合剤を散布すると良いです。また肥料切れを起こすと被害が広がるので適度な肥料の管理をするようにすることも大切です。

アブラムシ類

春先に白い綿状の物質で覆われたヒイラギハマキワタムシと呼ばれるアブラムシの仲間が枝に発生することがありますが、特に大きな被害はないとされています。ですがアオバハゴロモと呼ばれる虫は夏から秋にかけて発生し、幼虫が群れで吸汁し、白い分泌物で枝や葉を汚し、美観を損ねます。

アブラムシは薬剤に弱いとされるので発見したら殺虫剤を散布すると効果があります。オルトランといった薬剤はホームセンターでも購入出来ますし、高い効果が期待できます。最近は抵抗性が着いたアブラムシも出てきているようなので殺虫剤を散布して効果が見られないときは違う殺虫剤を散布する必要があります。

ミノムシ類

キンモクセイ系に発生する害虫で一番被害があるとされる害虫です。

マエアカスカシノメイガと呼ばれる幼虫が厄介で、葉を吐き出した糸で綴って中に潜み、葉を食害します。新芽が食害されることもあり、芯の伸びが止まってしまいます。みの でぶら下がっている状態で発刊されることが多いので見つけ次第 葉ごと幼虫を捕殺します。

キンモクセイ系に発生する主な病気

褐斑病

葉先や葉縁に褐色~黄褐色の病斑が生じ、やがて灰褐色か灰白色になり、病斑部に小さな黒点が多数出てきます。

発生対策としては、殺菌剤を一週間おきに2~3回散布すると良いです。ダコニールやベンレートなどといったものがオススメです。

先葉枯病

葉先から付け根に向かって淡褐色の病斑が広がり、後に灰白色となり、発病後の初夏に落葉します。褐斑病と似ているが、落葉しないのが違いである。

褐斑病同様、殺菌剤を散布することで発生を抑制します。

こうやく病

幹や枝に塗り薬をベッタリと塗ったようにカビが密に生えます。カイガラムシ類やアブラムシ類の排泄物が原因とされています。この病気で木が枯れることはないですが美観が損なわれるのでカイガラムシやアブラムシを防除することが必要となります。そのため殺虫剤を巻くことで害虫の発生を押さえることが出来れば病気も防ぐことができます。

ここまででキンモクセイ系の害虫、病気について解説していきました。数が凄まじいので全部知るのは難しいと思います。

木にとって良いことをまとめると

1.適度に手入れして風通しをよくする

2.木を乾燥させすぎない

3.害虫が発生していたら殺虫剤を散布し、病気が見つかったら殺菌剤を散布する。

この3点を意識することで美観を損なわず樹木が楽しめると思います。

木に異常があっても慌てず、冷静に原因を探ることで解決できることがほとんどです。

不安なときは専門家を頼ってみるのもアリだと思います。

庭師 剪定(チャボヒバ編 剪定したチャボヒバと刈り込んだチャボヒバを徹底比較)

お世話になっております🙇

庭木で人気のある樹木としてチャボヒバも挙げられています。

チャボヒバはヒノキの園芸品種でヒノキに比べると枝葉が短くて密生する性質があり、その様子を短足のチャボに例えて名付けられました。生長がゆっくりな樹木で初期の生育は特に遅いです。(1m伸びるのに5~6年かかると言われています)ヒノキ・サワラ類の中ではオーソドックスで庭木としてもっともよく使われているもののひとつです。庭の洋風和風を問わずに幅広くマッチし、きれいに仕立てられたチャボヒバは何となく気品があり高級な感じがします。

こんもりと茂って様々な形に仕立てることができます。

よくあるのは各枝ごとに玉造りになっている物です。

枝先に葉っぱが玉状に固まっており、刈り込むことで形を整えます。

チャボヒバです。

玉の1つを拡大してみます。

こんな感じになっています。

この玉をハサミで刈り込んでいきます。使用するハサミですが刈り込み鋏だと少し大きいためやりづらい場合があります。そのため片手で使える刈り込み鋏を使うと非常にやりやすいです。

無い場合は両手の刈り込み鋏でもオッケーです。コツとしてはあまり深く刈り込まず表面に出ている葉っぱを揃えるイメージです。

深く刈りすぎてしまうと枯れてしまう恐れがあります。

こんな感じになります。

近くで見ると不揃いにも見えますが問題ありません。

注意する点として

脇や裾を揃える

枯れ葉を落とす

この二つが大切です。

表面を刈り揃えても裾が汚いと全体的に汚く見えてしまいますので裾はしっかり刈り込みます。

枯れ葉は玉の中に溜まっているので両手で擦るようにすると綺麗に取れます。最初に玉を両手で擦り、刈り込むと効率よく綺麗に出来ます。

続いてチャボヒバの剪定です。

上記のように刈り込みで仕上げる庭がほとんどですが剪定で仕上げるケースもあります。

こちらもチャボヒバになりますが玉造りではないため枝先の細かい枝を残す剪定で仕上げたいと思います。

こちらも枝先の一部を拡大してみます。

こちらが拡大図です。

葉の集合体から輪郭よりも出ている枝(強い枝)を取り除き、細かく小さい枝を残すようにします。

このように枝先にパラッとした小枝や葉っぱを残すことで美しく仕上げることが出来ます。

コツとしては必要以上に切りすぎないことです。

極端に言えば太い枝を取った後は小枝はいじらなくてもある程度整ってしまいます。必要以上に小枝を触って薄くしすぎてしまうのも木にとって良くないので切りすぎないということを念頭に置いてください。

ただ内部は枝が混みやすいため多すぎる場合や方向の悪い枝は取り除いて内部まで日が当たるようにします。

剪定後のチャボヒバです。

このように小枝を残すことで刈り込みで仕上げるのとは一味違う感じにすることが出来ます。

どちらの仕上がりが好みかは人によりますがチャボヒバが綺麗になっていると庭が締まって見えるのでお手入れ必至です!

ただ、2通りのやり方があるけれど刈り込みの方が簡単だからそちらで仕上げたほうがいいのでは?

その通りです。刈り込みの方が難易度は低いため初心者でも綺麗に仕上げることが出来ます。

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刈り込みと剪定とではメリットとデメリットがあるのです。

刈り込み仕上げメリット

作業時間が早く、綺麗に仕上がる。

デメリット

内部の枝が枯れるので年々枯れ葉の除去が大変。

剪定仕上げメリット

内部にもよく日が当たり、枯れ葉が少なくなる。

デメリット

とにかく手間がかかる。

特性を理解しつつあったやり方で仕上げることをオススメします。

庭師の樹木図鑑(サンゴジュ編 サンゴジュの特徴と生け垣の手入れの方法と剪定方法)

お世話になっております🙇

庭の仕事を携わっているといろいろな種類の木を見かけます。それが見慣れているものだったり中々見ないものだったりと現場によって様々です。

今回はお客様宅で見かけたサンゴジュという樹木について紹介していきます。

サンゴジュは樹皮が灰褐色で皮目が多く、荒いのが特徴で葉は長楕円形で、縁に小さくまばらな鋸歯(葉の縁にあるギザギザのこと)があります。光沢と厚みのある革質で、枝から折り取ると白い綿毛が出ます。

何故サンゴジュというのかということですが、秋に真っ赤に熟す果実が柄まで赤く、この姿をサンゴに見立ててこの名がついたといわれています。

サンゴジュは庭木として単体で植えられるケースもあれば生け垣のように列植して植えることもあります。

というのも、サンゴジュは防火・防風・防音の機能を有する樹種(防火樹・防風樹・防音樹)としても知られていて、家を守る木として人気があるためこのような使われ方をします。

今回のお客様宅ではサンゴジュの生け垣を手入れしましたが、2年ぶりのため強く太い枝が伸びているなど荒れていました。

毎回お手入れ時には刈り込みで仕上げているのですが、このまま刈り込み鋏やヘッジトリマーを使うと枝が太すぎて刈り込む事が出来ません。

まずは太い枝をノコギリや太枝切り鋏などで取り除くことが重要となります。

仮にこのまま無理やり刈り込みを行うと鋏が欠けたり、トリマーが故障するので注意しましょう。

このように赤○で囲まれた枝が太い枝となります。この枝を元で抜くという作業が必要となります。

毎回刈り込みでの作業なのである程度の輪郭線は出ているのでそれよりも出ているので分かりやすいと思います。その枝を元までたどり、ノコギリや太枝切りで取り除きます。

何故太い枝を優先的に取るのか?

1.太い枝がなくなることで刈り込み作業がしやすい

太い枝が混ざっていると上記のとおりハサミもトリマーにも負荷がかかり、効率も悪くなります。細い枝のみになることで楽に刈り込み作業が出来るようになります。

2. 来年以降の木の伸びが押さえられる

太い枝はどんどん成長していく特性があり、残しておくとどんどん枝が大きくなっていきます。取り除くことで細かい枝が残るので太い枝を残したときよりも、養分が各枝に分散されるため伸びが緩やかになります。

太い枝を取り除いた後は刈り込み鋏とヘッジトリマーで刈り込み、整えていきます。

トリマーを使って仕上げる際には注意点があります。

1.高速で刃が動くので絶対に手などを近くに持ってこない

生け垣などを刈り込むときに角度などの関係で手の位置が刃に近かったりする場合がありますが絶対に刃から離してください

2.刈った後は切り口がちぎれたようになり見た目が汚い

トリマーは刃が高速で上下運動するため刈ったときに枝葉をちぎるような感じになります。そのため切り口が汚くなってしまいます。

赤○のように切り口が汚く残ってしまうのがトリマー刈り込みの難点になります。

この場合は切り口を剪定鋏で切って目立たなくします。

このように元の方で切ることで目立たなくなります。

特に側面はよく目立つので切り口を鋏で整えると綺麗に見えます。

刈り込みが完成しました。

ちなみにですが生け垣に適した木の条件として

常緑樹を使用する

常緑樹は、一年中葉っぱがついているため生垣に最適です。もしも、落葉樹を生垣に使ってしまうと、冬などの寒い時期に木が寒さや乾燥から身を守ろうとして葉っぱを落としてしまい、風や音、視界を遮ることができなくなってしまいます。

刈り込みに強い

剪定は枝を切って形を整えたり、風通しをよくしたりといった作業ですが、刈り込みとは単純に形を整える作業です。生垣は一般的に風や音、視界を遮る目的で植えているため、剪定ではなく刈り込みで形を整えます。ただし、一度に強く刈り込むため、刈り込みに強い品種の方が生垣に適しています。

病気・害虫に強い

生垣の場合、枝や葉っぱが密集していて風を通しにくくなっています。風通しが悪いと、病気や湿ったところを好む害虫が発生することが多くなります。そのため、病害虫に強い品種の方が生垣に向いているのです。

今回のサンゴジュは常緑樹で尚且つ刈り込みにも強いということで生け垣に適した樹木といえます。

まだまだたくさんあるので今度紹介していきたいと思います。

庭師が教える樹木(ヤツデの特徴と剪定の仕方)編

お世話になっております🙇

樹木には当たり前ですが高く成長するものやそれほど大きくならないものとありますが今回はそれほど大きくならない樹木があるので紹介していきます。

今回はヤツデという樹木です。

ヤツデは葉っぱが手のような形をしています。それが8つあるからヤツデもといいたいところですが実際は7、9つというのが事実です。丈夫なので庭木としてもよく植えられます。古人は魔除けの意味で庭に植えていたともいわれている縁起物の樹木です。

葉を乾燥させたものは「八角金盤」と呼ばれる生薬になり、去痰などの薬として用いられます。しかし、葉などにはヤツデサポニンという物質が含まれ、過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こしますので注意します。

また、葉を刻んで浴湯料として風呂に入れると、リウマチに効果があるとされます。

昔は殺虫剤として用いていたこともあります。

剪定ですが、春から夏にかけて思いきって古い枝を短く切り詰めます。萌芽力が強いので強めに切っても心配ありません。切り口付近から新芽が発芽して1~2年後にはコンパクトな樹形に整います。

ヤツデが起こしやすい病気は黄色紋羽病、炭そ病、黄斑病などがあり、黄色紋羽病は、若木や苗木の地上部が急にしおれ、葉は水気が抜け黄緑色になって下垂します。葉の縁部から発病し葉枯れ症状となる炭そ病で葉に斑点が生じるのが黄斑病です。

害虫はあまり見られませんが、乾燥気味のところではカイガラムシが発生しがちです。

庭師のお仕事 (イヌシデ〈ソネ〉の強剪定とは?その特徴も解説)編

お世話になっております🙇

公園剪定真っ只中です。今回は毎年手をつけるわけではなく、実に3年程放置をしてしまったイヌシデ(ソネ)を思い切り小さくします。

とてもノコギリだけでは枝が太すぎるためチェーンソーを使っての手入れになります。

大体高さは5メートルくらいなので上部は脚立では届かないため登っての作業となります。

木に登ってのチェーンソー使用となるため注意しなくては行けないことがあります。

1.誤って落下しないよう足場を確保し、安全帯を使用する。

木に登っての作業で一番気を付けなくては行けないことは木から落下することです。落下することにより大怪我をしたり、酷いときには死に至ることもあります。それを防ぐために、まずは両足が必ず枝に乗っているかどうか。理想は両足と背中と三点で支えられていればベストです。それプラス安全帯の使用です。木に巻き付ける事で誤って落下したときに巻き付けた木に宙吊りになるので地面に激突するのを防ぐことが出来ます。安全帯は腰に巻き付けますが正しい位置に身に付けないと吊られたときに内蔵を圧迫してしまいます。特にお腹に近い位置に身に付けるのは危険です。また、腰の下の方に着けてもスルッと外れて落下しますので必ず骨盤の上らへんに身につけます。

最近ではその安全帯よりも多くの支点で体を支えるハーネスの着用を義務付けてきています。使用には講習を受けなくては行けませんが安全帯よりもさらに安全かつ体への負担が少ない構造になっています。少し動きづらいのが難点ですが安全面ではかなり信頼が持てます。

2.チェーンソーのエンジンをかけっぱなしにしない。

次に怖いのが誤って体をチェーンソーの刃で切ってしまうことです。枝を切ったら地面に落下させるのですがそのときには必ずエンジンを切って落とすようにします。普通アイドリング時には刃は止まっていますが誤ってアクセルに枝などが触れたりする恐れがあります。また安全レバー(レバーを押すことでアクセルを吹かしても刃が回らなくなる)というものも着いていますので枝を切る作業の時以外は必ず刃を回らない状態にします。

3.枝を落下させる際は必ず安全を確保する。

枝を落下させるときには下に人や物がないかを確認してから落とすようにします。枝も中々の重さなので物に当たったら壊れますし、人に当たったらそれこそ大怪我をしてしまいます。必ず回りへの配慮を心がけます。

チェーンソーの剪定後と剪定前になります。

手前はチェーンソー剪定後です。後ろの剪定前と見比べて見ると大分高さを落としていることがわかります。

これは休眠期に入っていて芽吹きが比較的強い落葉樹だから出来ることで常緑樹では中々出来ないことです。

これだけ切ってもまた葉が繁り、あっという間に大きくなってしまうので木の成長が力はすさまじいですね!

最近、依頼があったのですが

イヌシデが一本枯れてしまったとの事で伐採を行いました。

上部の写真がイヌシデの切り株で下部がチェーンソーで切った幹になります。

伐採してみて何で枯れてしまったかがわかりました。

恐らく、伐採した幹に無数の穴が空いていることからテッポウムシ(カミキリ虫)の被害を疑います。

テッポウムシはモミジなどに多く入りやすい害虫で

木に穴を空けて侵入し、根っこから幹内部を食害しスカスカにしてしまいます。

もうスカスカになると手遅れで徐々に枯れが入ります。

テッポウムシは厄介で中々存在に気づきにくいのが被害拡大の大きな原因です。

こちらにも詳しく記載しているので参考にしてください。↓

庭師が教える剪定(サワラの特徴や剪定方法を解説)

お世話になっております🙇

今回は少し広めの公園にて剪定作業を行って参りました。

公園の敷地が広いためある程度高さのある樹木が多めに植えられております。

その中で剪定した樹木はサワラになります。

サワラはヒノキやマツなどと同じく針葉樹という種類に分類される樹木で特徴的な葉っぱが印象的です。

ヒノキよりも軽く軟らかいため建築材や器具材に利用されます。サワラの語源もヒノキよりもさわらかであることに由来します。水湿に強く桶やたらいなどによく用いられます。殺菌作用があるため、松茸など食品の下の敷物としても使われます。

枝はヒノキほど茂らず、枝と枝の間隔が広くなるため、遠くからでも幹がよく目立ちます。葉の付き方をみるとヒノキよりも隙間が多いです。葉の形状もヒノキの葉の先端は丸く葉裏の白い気孔腺がY字なのに対し、サワラの葉は先端が尖っていて葉裏の白い気孔腺がX字であります。

剪定ですが枝先から何本も枝が出ているのでその中で長いものは全て取り除きます。残すのはその中でも小さく放射状に伸びている小枝で、それを各枝ごとに作っていきます。

具体的に見ていきましょう。

密集しすぎて分かりにくいですが剪定前の枝先です。

この中で長いものを取り除き、小さい枝を何本か残します。

こんな感じです。

これを各枝に行っていくことでもっさりしたサワラからスッキリしたサワラへと生まれ変わります。

注意点ですが枝の中ほどに細かい枝が出ていますがこの枝は全て切り取らず残しておくようにします。

理由てしては将来木を小さくしたいときにこの部分に枝が残っていればこの位置まで詰めることができます。仮にすべて切り取ってしまうと2度と吹いてこないので何年も枝先の枝のみで形を作らなくては行けません。

そうなると段々コブのようになってきて木自体がゴツゴツしてきます。

また葉を残さないぶつ切りもしては行けません。木に葉っぱがのこっていないとこれから先枝葉が出てくることがなくなります。

このようにどこからでも吹いて来るわけではない樹木もあるので注意しましょう!

庭師が教える樹木(ナンジャモンジャとは?特徴と剪定方法)編

今回も公園樹木剪定になります。

前回は常緑樹の剪定をしましたので再び落葉樹を剪定していきたいと思います。

今回の樹木は

こちらの落葉樹です。

名をナンジャモンジャと呼びます。

なんじゃそれ?と疑問に思うかと思いますが列記としてそう呼ばれているのです。

ちなみに別名はヒトツバタゴと呼ばれます。

ナンジャモンジャは中国、台湾、朝鮮半島および日本などに分布形態をとります。但し植栽の樹木の実の種が野鳥に運ばれて着床して自生している自生の樹木を山林の中で観察することができます。成木で樹高は20mを超える大型の高木で、幹は灰褐色で縦に切れ目が入ります。

葉は長楕円形で4cm~10cm程度となり、長い葉柄を持ち対生します。花期は5月頃で、新枝の枝先に10cm程度円錐形のものをつけ、秋に直径1cm程度の楕円形の果実をつけ黒く熟します。

高木になるので公園木にはちょくちょく使われているようです。

ナンジャモンジャと名付けられる植物の樹種は、ヒトツバタゴのほか、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなど様々です。

ナンジャモンジャと称される理由について、民俗学では、元々は占いや神事に利用されていたもので、植物名で直接呼ぶことが憚られたものではないか、とみる説などがあります。

一説では、神木の前を通りかかった水戸黄門が この木はなんじゃ? と聞いたところ、地元の人が聞き取れず「ナンジャモンジャ」と返答して、木の名前だと勘違いして広まったという話がある用です。

剪定ですが落葉樹なのである程度強めに剪定をしていきます。

枝数が多く新しい枝が伸びていて見た目が悪いです。ボサボサ枝を多くだしている枝を元から取って枝数を少なくして、残した枝の枝先の小枝を生かして行きます。

枝先は切り詰めてしまって構いません。

剪定完了です。

枝数を少なくして残した枝の先端に細かい枝を残しました。

むさ苦しい感じがなくなり、まとまりが出たかなと思います。

ナンジャモンジャは夏期にはアメリカシロヒトリがついたりする樹木なので発生しだい殺虫剤を散布することで駆除が可能です。

オススメの殺虫剤はトレボンの乳剤です。非常に強力で幅広い害虫に効くので扱いやすいです。

また5月に咲く花は雪のようで非常に美しいです。

見る機会があれば是非見てみてください。

インターネットから引用

<初心者必見!>庭師剪定(キンモクセイ透かし)

お世話になります。

個人邸のお手入れに行きましたがキンモクセイの手入れをして来ました。

キンモクセイですが大体は刈り込み作業によって形を整えるのが一般的な手入れになります。

枝が密になるため刈り込みがしやすく形も整えやすいためです。

しかし今回は枝同士をくっつけずに適度に離して樹木の中の枝を整理して中の幹がチラチラ見えるように透かしてくださいとのご要望でしたので透かし剪定をしました。

キンモクセイの手入れ

キンモクセイは大きく分けて3種類手入れの方法があります。

1 刈り込みのみで形を整える(刈り込み)

2 刈り込みで形を整えてから剪定する。(刈り込み剪定)

3 最初から剪定して透かす(剪定)

今回は3番目の方法で剪定しました。

剪定方法(3の方法)

方法としてはあらかじめ輪郭を設定してその輪郭にあわせて方向の良い枝を何本か残します。

枝数が非常に多いためどの枝を抜いていいか迷って手間がかかりますがあくまで方向の良い枝を何本か残し逆方向に伸びている枝や明らかに勢いが強い枝は取り除きます。

輪郭から内側の枝はある程度取ってしまうとスッキリします。

キンモクセイは萌芽する力が強いため輪郭を合わせるために中芽で切っても良いです。

しかしこのように説明をしていてもわかりづらいと思います。

次に挙げる2番目の方法が一番実践しやすいかと思います。

刈り込み剪定方法(2の方法)

いわゆる刈り込み剪定とよばれるものです。

ある程度形を整えてから剪定するため形を崩すことなく透かし剪定することが出来ます。

どういう意味かと言いますと

あらかじめ刈り込むことで輪郭がくっきりでるため切る枝がわかりやすくなる利点があります。

普通の透かし剪定より難易度が低いため初心者の方や慣れていない方はこの方法を使うと非常に美しく仕上げることが出来ます。

抜く枝も3の方法と同様で逆方向に伸びている枝、明らかに太さが違う枝、絡んでいる枝などを取り除きます。

輪郭が揃っているため処理する枝は内部のみになるのでわかりやすくなります。

その他の方法(大きく切る)

同じ樹木でも手入れのやり方が変わりますが金額の関係や時間の関係で調整することが出来ます。

低コストで綺麗に見せたい場合は圧倒的に刈り込み作業のみが早いし安いです。

少々金額と手間がかかっても良いという場合は透かし剪定で日が当たるように美しく仕上げます。

もちろん透かし剪定のほうがメリットも大きく、

刈り込み作業の場合は作業自体は早いのですが表面だけを刈り揃えるため年々樹木自体が大きくなっていってしまいます。

逆に透かし剪定の場合は枝数を減らして細かい枝に更新しているため刈り込みで仕上げるよりも大きさを押さえることが出来ます。

よくお客様の話で、キンモクセイが大きくなりすぎたので小さくして欲しい。というご依頼がありますがこれは年々刈り込みでしか手入れしていなかったかそのまま放置していた可能性が多いです。

その場合は小さくすることも出来ますが時期を間違えないことが大切です。

樹木を小さくするいわゆる強剪定に適した時期は芽吹きが始まる3~4月くらいがベストだとされています。

これは樹木の活動が活発になり始めるため少々強い刺激を与えても耐えられるからと言われています。

ちなみに植栽などもこの時期が適していると言われています。

小さくする方法としては一般的には頭の部分(天端)の部分を好みの高さまで切り詰めます。その場合は頭に葉が残らず坊主になりますがこの時期に行えば問題なく新しい芽が芽吹いて来ます。

ただ注意して欲しいのは全部葉がなくなるほど切っては行けないと言うことです。

よくこのような剪定がされているキンモクセイを見かけますが下手すると枯れてしまいます。

セオリーとしては木の横はギリギリ葉っぱは残しておかなければ行けません。

下記は透かし剪定によるキンモクセイです。濃さの参考にしてください。

いくら芽吹きが強いとはいえ常緑樹なため蒸散等のバランスが崩れます。

3~4月の時期なら比較的大丈夫とも言われていますがリスクを回避するために必ず葉は少し残すようにします。

樹木の種類によって色々なやり方がありますがやり方を間違えると大切な樹木が大変なことになりますので必ず専門家に相談してから行動すると良いでしょう。

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