ブロワーとは?用途と使い方を解説!きれいなお庭の仕上げ方や掃除のコツも伝授)

お世話になっております🙇

庭師の仕事で一番大切ことはなんでしょうか?綺麗に手入れが出来ることでしょうか?それともお客様とのコミュニケーションでしょうか?

確かにどちらも大切なことで庭師の仕事をするに当たって欠かせないことです。

綺麗に手入れをして管理できる技術がなければお客様を満足させられませんし、コミュニケーションが取れなければお客様の望む出来映えに近づけることは出来ません。しかしこれらは経験等によるものなので数を多くこなすことで形になってきます。

それよりも庭仕事には大切なことがあります。それは最後の掃除です。

何でと思うかもしれませんがこの掃除の出来映えによっては全てが台無しになってしまいます。

仮にすべての木を完璧に綺麗に仕上げたとしても切った枝ゴミが残っていればお庭は綺麗に見えません。

枝ゴミを綺麗に掃除して庭にゴミひとつ落ちていない状態にすることがお庭手入れの完成形になります。

よく庭師初心者は掃除を任されます。

理由としては、単純作業で特別な技術は必要ないからです。しかし単純なこの作業ほど仕事において一番大切になります。逆にいえば掃除が雑だと他の手入れやお客様との会話にステージを上げることが出来ないと言えますし、掃除が綺麗に出来れば他の仕事も自信を持ってできるようになります。

今回は初心者でもよく分かるようにに基本的な掃除のやり方を伝授します。

普段の庭仕事にも活用できるので必見です。

枝ゴミは大きいゴミと小さいゴミとで分けることが出来ます。さらにそこから細かいゴミ、ちりゴミとなっていきます。大きいゴミとは簡単に言えば熊手で集めるには大変なゴミです。この大きなゴミは手運びでトラックなどに乗せるとよくはかどります。

小さいゴミは熊手で運べるだけのゴミである程度熊手を使って集めてテミと呼ばれるちり取りでトラックに乗せます。それよりも細かいゴミはホウキで集めることも出来ますが庭の木を切っている場合は同じ場所にゴミがあるとは限らず、いろいろな場所に木があり、その下に枝ゴミは落ちることとなります。

そのため一ヶ所ずつホウキで集めては非効率になります。

そこで便利になってくる道具がブロワーと呼ばれる道具になります。

ブロワーとは簡単に言いますと送風機のことです。

インターネットから引用

上のように機械前方の筒状の吹き出し口から風を出してゴミを一ヶ所に集めることができる道具です。

ブロワーは非常に便利で細かいゴミであれば風によって綺麗に仕上げることが出来ます。ホウキで掃くよりも綺麗になるため非常に重宝します。

熊手で枝ゴミを運んで葉っぱのみになったらブロワーを使ってゴミを集めることができるのです。

そんな便利なブロワーですが使うときには注意点があります。

1.枝が残っていると風で飛ばない

ブロワーを使うのはあくまで最後の仕上げです。まだ枝が残っているときは風で飛ばないため逆に非効率になります。必ず葉っぱなどの軽いゴミのみになったときにブロワーは使います。

2.ホコリが舞いやすい

ブロワーは風を送り出す機械なので吹き出した風によって土ぼこりが舞う場合があります。思わぬ苦情がきたりもするので回りをしっかり確認して吹き出す風の強さを調節して土ぼこりの被害を最小限にします。ちなみに風の強さはアクセルによって調節可能です。

次にブロワーの使い方についてです。

上手く使いこなすには練習が必要ですが使いこなせると掃除がグッと楽になります。

1.風を吹き出してゴミを飛ばすときに進みすぎない

どういうことかといいますと、ブロワーは風を出してゴミを前に運んでいきますがその一点だけに集中しすぎて前にどんどん進んで行くことが多いです。ゴミはまず自分が立っている位置の前半径はその場所にとどまって前に送るようにします。一点だけに風を当てるのではなく半径を確認して半径分のゴミを前に送るということです。こうすることでゴミの吹き残しがなくなっていちいち戻らなくても良くなるので掃除効率が良くなります。

2.ゴミを集める箇所付近にきたら風の強さを弱くして飛びすぎないようにする

ブロワーはゴミを集める箇所まではアクセル全開で使うことがほとんどですが箇所付近にきたらゴミをそこに置かなくてはいけないので風の強さを弱くしてせっかく集めたゴミが飛んでいかないようにする必要があります。

ここまで来たら後は集めたゴミをホウキで収集して完了です。

ゴミの大きさによって使う道具を変えて効率化を図る。時間が勝負の庭師にとって非常に大切なことです。

ここまでで掃除の流れを解説しましたがまとめです。

大きい枝を集める

大きい枝→手運びか大きめの熊手で集める。

小さい枝を集める

小さい枝→熊手で集めてテミで回収する。

葉っぱや細かい枝を集める

ブロワーを使って一ヶ所に集める。

集めたゴミをホウキとテミを使って仕上げ

完了!

さらなる美しさのために応用編です。

切った木の下が何も障害物がないとやりやすいのですが低木があったり草花があったりするケースもあります。その場合、その障害物に切った枝が引っかかります。これをかかり枝というのですがこのかかり枝を放置するとどうなるか?

最初のうちは目立たないのですが切った枝なので徐々に枯れて茶色くなります。そうなると見た目がすごく悪くなり、せっかく綺麗に剪定したのに台無しです。

落ちた枝を片付ける前に障害物があるときはかかり枝がかかっていないか確認してあれば取り除きます。見にくい場合は熊手などでその障害物を軽く叩くと隠れていたかかり枝がでてきます。

手順を加えるとしたら大きな枝を集める前にかかり枝を徹底的に除去します。ここまでやってお庭の仕上げが完成します。

正直手間だなと思うかもしれませんが大切なんです。お金を出して植木屋さんを頼んでいるのですからそこまでやってこそ商売として成立すると思います。初心者でも出来るいわゆる基礎の作業ですが突き詰めれば基礎が一番大切だということに気づかされます。

それは庭仕事だけでなくあらゆるジャンルでも該当すると思います。経験を詰めば技術はどんどん身に付いてきますので天狗にならず常に基礎が大事だと言い聞かせて今後も仕事できると良いですね。

ちなみに先ほど紹介したブロワーですが、私たち庭師はエンジン式の物を多用しています。他にも充電式の物などいろいろな種類があるのですがそれぞれに利点、欠点があります。

少し紹介したいと思います。

エンジン式のブロワー

利点

馬力が強いため風力も強い。そのためある程度のゴミを風で飛ばすことができる。

欠点

燃料が必要で燃料代がかかる。音が少しうるさく、騒音が気になる。

充電式のブロワー

利点

バッテリーを充電して使用するため燃料代がかからない。

音が静かで騒音が気にならない。

欠点

エンジンの物よりも風力が弱い場合があり、本当に細かいゴミしか集められない。

バッテリーが切れたら使えない。予備の準備は必須。

このようにエンジンと充電のもので違いがありますがこれも場所や用途に応じて使うと便利です。

例えば家の中などを掃除する際は充電式の物を掃除機と併用したりすると便利かもしれません。音も静かですし、バッテリーが切れたらすぐに充電もできます。

最近は車の中でも使えるブロワーも販売されているみたいですね!今度見に行きたいと思います!

庭師が使う道具(ヘッジトリマーとは?)使い方とその特徴

お世話になっております🙇

庭仕事をする際に庭師がよく使うといいますかあると便利な物が存在します。純粋にハサミのみ使ったりするケースもありますが道具を使うことによりより早く効率よく仕事を進めることができます。

庭師が庭仕事の際によく使う道具としてはヘッジトリマーが挙げられます。

ヘッジトリマーは生垣や樹木の剪定に使用する電動刈り込み機のことです。 2枚の刃が鋏のように高速で擦れ合い、枝や葉を刈り込めるため短時間で広い面を均一に刈ることが可能です。

ハサミのみで整えると美しく仕上がるのですがどうしても時間がかかってしまいます。効率が勝負な商売なので広い生け垣等はヘッジトリマーを使うことで効率よく作業ができます。仕上がりの美しさはすべてハサミで仕上げるのよりは若干劣りますがそれでも充分綺麗に仕上げることが出来ます。

ヘッジトリマーの利点

1.ハサミよりも効率よく作業ができる

2.馬力によってはある程度太い枝でも刈り込める

3.ハサミと違い一度に広い面を刈り込める

ブレードと呼ばれる刃が付いた部分が高速回転するためそのブレード部分を刈り込み物に当てればその面を刈り込むことが出来ます。そのため作業効率も良くなります。また、メーカーによって馬力に違いがありますが馬力が大きいものはある程度太い枝も刈ることが出来ます。

ヘッジトリマーのデメリットは

1.刈り込み面を切るのではなく契りとるような感じになるので切り口が少し汚い場合がある。

2.刃の種類によっては刈りムラができる

ヘッジトリマーの刃はいろいろな種類があります。

主には普通の刃と仕上げようの刃になります。

細かくすればもう少しありますが庭師は大体この二つをよく使い分けます。

ある程度枝が太めの生け垣や低木等は普通の刃で刈り込みます。

インターネットから引用(普通の刃)

反対に枝葉が細かく出ているものを揃えるときは仕上げようの波で仕上げると綺麗になります。

インターネットから引用(仕上げ様の刃)

間違えて逆の使ってしまった場合の失敗例です。

太めの枝がある木を仕上げ様の刃で刈ってしまった場合

仕上げ様の刃は決め細やかな刃を刈り込むのに適しているため太い枝に対応できず刃の噛み合わせが悪くなり酷いときには刃が動かなくなり故障の原因になります。

反対に決め細やかな樹木を普通の刃で刈る場合。

これは刈れないことはありません。ただ刃が粗めなので仕上がりがボコボコに見えて見映えがよくありません。

賢い使い方としては最初粗めに普通の刃で刈り込み最後仕上げで仕上げ様の刃を使うことです。

こうすることで効率よくハサミ仕上げと同じクオリティに仕上げることが出来ます。

道具の使い方が分かったところで実際に綺麗に生け垣や低木を刈り込むにはどうすれば良いか?

初心者でもプロのように仕上げるコツがあります。

①最初に刈る高さを決める

手を入れる前の樹木は枝が爆発するように上に伸びているものがほとんどですこれを伸びる前の高さに刈り戻しますちょうど葉っぱがすこし残るくらいの位置がいいでしょう

そこにハサミを当てて左手を固定して右手だけを動かしますこの時力を入れすぎると表面がガタガタになり見た目が悪くなるので軽くリズムよく刈り込むことを意識してください。ハサミ全体をつかって刈り込むと効率よく仕上がります。

②塗り絵のように

例えば塗り絵をするときは端から塗り始めて徐々に広げて行きますねそれの要領で刈り込みも端から徐々に広げて行きます。そうすることでムラなく刈り込めます。

③角は少しハサミを斜めに入れる

④裾の部分を真っ直ぐにする※綺麗に見せるために一番大切なこと

上部を綺麗に刈っても下部の部分(裾といいます)が揃っていないと美しい仕上がりにならないので少しやりずらいですがハサミを入れて真っ直ぐに揃えるよう意識します

生け垣のお手入れ

①下部を濃く 上部を薄くする

どれくらい刈り込むのか迷うところですが生け垣の下を濃く 上を薄くするように意識しましょう理由は上部は下部に比べて日当たりがよく枝の成長が早いため時間がたつにつれて頭でっかちになり圧迫感が出てくるのです頭の大きな生け垣は見た目も悪くなるので上の方は薄くするようにして成長しても同じくらいの伸びになるようにします。

②天端(頭)は水糸を張る

慣れている人だと目で見て調整しながら真っ直ぐに揃えることが出来ますが慣れていない人は中々難しいので刈りたい高さの位置に水糸を張ると良いでしょう。後は水糸を目安にして刈り込みをしていけばオッケーです。

最初は上手くいかず難しいと感じるかもしれませんがやはり慣れが大切です。一気にやろうとせず少しずつ調整しながら確認してやっていけば大きく失敗せずにできると思います。

庭師のお仕事 (イヌシデ〈ソネ〉の強剪定とは?その特徴も解説)編

お世話になっております🙇

公園剪定真っ只中です。今回は毎年手をつけるわけではなく、実に3年程放置をしてしまったイヌシデ(ソネ)を思い切り小さくします。

とてもノコギリだけでは枝が太すぎるためチェーンソーを使っての手入れになります。

大体高さは5メートルくらいなので上部は脚立では届かないため登っての作業となります。

木に登ってのチェーンソー使用となるため注意しなくては行けないことがあります。

1.誤って落下しないよう足場を確保し、安全帯を使用する。

木に登っての作業で一番気を付けなくては行けないことは木から落下することです。落下することにより大怪我をしたり、酷いときには死に至ることもあります。それを防ぐために、まずは両足が必ず枝に乗っているかどうか。理想は両足と背中と三点で支えられていればベストです。それプラス安全帯の使用です。木に巻き付ける事で誤って落下したときに巻き付けた木に宙吊りになるので地面に激突するのを防ぐことが出来ます。安全帯は腰に巻き付けますが正しい位置に身に付けないと吊られたときに内蔵を圧迫してしまいます。特にお腹に近い位置に身に付けるのは危険です。また、腰の下の方に着けてもスルッと外れて落下しますので必ず骨盤の上らへんに身につけます。

最近ではその安全帯よりも多くの支点で体を支えるハーネスの着用を義務付けてきています。使用には講習を受けなくては行けませんが安全帯よりもさらに安全かつ体への負担が少ない構造になっています。少し動きづらいのが難点ですが安全面ではかなり信頼が持てます。

2.チェーンソーのエンジンをかけっぱなしにしない。

次に怖いのが誤って体をチェーンソーの刃で切ってしまうことです。枝を切ったら地面に落下させるのですがそのときには必ずエンジンを切って落とすようにします。普通アイドリング時には刃は止まっていますが誤ってアクセルに枝などが触れたりする恐れがあります。また安全レバー(レバーを押すことでアクセルを吹かしても刃が回らなくなる)というものも着いていますので枝を切る作業の時以外は必ず刃を回らない状態にします。

3.枝を落下させる際は必ず安全を確保する。

枝を落下させるときには下に人や物がないかを確認してから落とすようにします。枝も中々の重さなので物に当たったら壊れますし、人に当たったらそれこそ大怪我をしてしまいます。必ず回りへの配慮を心がけます。

チェーンソーの剪定後と剪定前になります。

手前はチェーンソー剪定後です。後ろの剪定前と見比べて見ると大分高さを落としていることがわかります。

これは休眠期に入っていて芽吹きが比較的強い落葉樹だから出来ることで常緑樹では中々出来ないことです。

これだけ切ってもまた葉が繁り、あっという間に大きくなってしまうので木の成長が力はすさまじいですね!

最近、依頼があったのですが

イヌシデが一本枯れてしまったとの事で伐採を行いました。

上部の写真がイヌシデの切り株で下部がチェーンソーで切った幹になります。

伐採してみて何で枯れてしまったかがわかりました。

恐らく、伐採した幹に無数の穴が空いていることからテッポウムシ(カミキリ虫)の被害を疑います。

テッポウムシはモミジなどに多く入りやすい害虫で

木に穴を空けて侵入し、根っこから幹内部を食害しスカスカにしてしまいます。

もうスカスカになると手遅れで徐々に枯れが入ります。

テッポウムシは厄介で中々存在に気づきにくいのが被害拡大の大きな原因です。

こちらにも詳しく記載しているので参考にしてください。↓

モミジを美しく剪定する方法(庭師がモミジを柔らかく仕上げます)

お世話になっております🙇

年の瀬なので最近は正月太り前の庭木剪定ということでやらせていただいております。

本日もよろしくお願いいたします。

今回はモミジを整えて参りました。

こちらです。

このモミジは一般的なイロハモミジと違い、年中赤い葉っぱをつけるノムラモミジというものです。

ノムラモミジはイロハモミジの園芸品種と言われていて普通のモミジと比べて多くの日照を必要とします。

夏の暑さが続くと葉が縮むことや、枯れ込むことがあります。下草を植えたり、敷き藁をするなどして根の周りの温度上昇を防ぐと効果があります。またどのモミジもなのですがテッポウムシという害虫が入りやすく、根を食べてしまうと一気に枯れてしまいます。

剪定はあまり強くしてしまうと枝が暴れたり、樹形が乱れるので間延びした枝を抜く程度の軽めの剪定を行うと自然風に仕上がり、美しいです。

ノムラモミジは基本葉っぱをは赤いですが木によって微妙に葉の色が濃かったり薄かったりするのも特徴です。

話を戻しまして剪定に入ります。

先ほど行ったように強めの剪定は避けるようにして自然風に仕上がるように間延びした枝を抜いて細かい枝を多く残すようにします。

写真を見てみると輪郭から所々間延びしている枝が出ているのがわかると思います。毎年形を整えるように剪定しているので極端には暴れていません。今年も所々間延びした枝を剪定して形を整えていきます。

作業後です。間延びした枝を落とすだけにしてうっすら透けるようにしました。シンボルツリーでもあるので多く葉を残して風格が出るように意識しました。

場所によってはもっと切ってほしいと言った場合もありますが施主さんによって違うので意見を正確に形にするようにこれからも心がけて行きます。

具体的にどの枝を切ってどの枝を残すか全体写真のみだと中々分かりにくいと思うので

別のモミジ剪定の写真動画を交えて説明します。

どの枝を抜けば柔らかく仕上がるでしょうか?

このように枝の流れを生かすような残し方を各枝で作っていくと自然と柔らかく美しい仕上がりになります。

また先ほど出てきたテッポウムシですが木に入ってしまうと厄介で根を食べるため中々駆除が難しいとされます。

テッポウムシはそもそもなんなのかということですが簡単に言うとカミキリムシです。

どうすればいいかとご意見をいただきこともありますので

いくつか対処法を記載します。

1.入り口を塞ぐ

そもそもどうすればテッポウムシと見極められるのか?一番簡単なのは根元におが屑が落ちているとテッポウムシが入り込んでいる可能性が高いです。そうなると根元から侵入して卵を産みつけるのでそこを塞ぎます。塞ぎかたは市販のビニルテープを使ってもいいですし、木工用ボンドなどでも良いでしょう。

2.農薬を使う

こちらは根元に見つけた穴から専用の農薬を穴に注入して駆除します。カミキリムシ専用の農薬はホームセンター等で販売しています。

3.あらかじめ木をコーティングする

木にテッポウムシが入り込まないように液状の樹脂フィルムのようなもので幹自体をコーティングする方法もあります。樹脂フィルムもホームセンター等で販売しています。

このように意外とホームセンター等で揃うものが多いのでご自分でも比較的簡単に出来るため、テッポウムシを疑ったら駆除をしてみるのも良いかもしれません。

<庭師が教える>ヒマラヤスギ 剪定方法 コツ

お世話になっております!

2020年も残り1ヶ月を切り庭師も暦のとおり師走になり気張っております。

今日も個人邸の一本!ということでヒマラヤスギを剪定してきました。

ヒマラヤスギとは

ヒマラヤスギは普通の杉の木と違って針のような形をした葉になっておりほとんどが5 cm程の長さで、時には7 cmに達することもあります。

こちらがヒマラヤスギです。

スギと違って明るい緑色の葉っぱで針のようになっております。

ヒマラヤスギはとして公園や大きな庭園に植樹されています。大きくなるためあまり一般家庭では植えませんが例外もあります。-25℃以下で生育することは難しいとされている暖かい気候を好む樹木です。

ちなみにこのヒマラヤスギは巨大化するのを防ぐため頭を切って高くなりすぎないようにしています。

ヒマラヤスギの材は耐久性に優れ、腐りにくいため良質で緻密な木目は磨けば美しいつやが出ます。歴史的には、寺院とその周辺の造園に使われたことがよく記録に残っているほどです。

そんなヒマラヤスギですがこのお宅では庭の周りに植えてあり合計15本剪定をしたわけですが剪定するのも中々大変で、何より葉がチクチクして痛いのが特徴です。

またマツ程ではないですがヤニが出てくるので手や服がべたべたになりますし、それにより手袋が真っ黒になります。

葉自体は柔らかいんですが針のようになっているため素肌に触れるとチクチクします。今回は一年に一回の手入れなのでクリスマスツリーのように葉を多めに残すのではなくある程度薄く剪定していきます。

ポイントとしては下に垂れ下がった細かい葉っぱを多く残すようにすることです。こうすることで柔らかさが出ます。

具体的に図解していきます。

図解説

まっすぐの強い枝も多くありますが出来れば柔らかい下に垂れ下がった葉っぱを残すように。場所によっては強めの枝を切り詰めても良いです。

この場合は下に垂れ下がった方向の良い放射状の枝を残すのですが

このように赤い線の方向に伸びている枝を残すようにします。

オレンジ線は場合によっては小枝の方向は良いので残してもいいですがここでは大本の枝自体が木と逆に出ているので元から切ってしまいます。

動画解説

枝先を揃える際に細かい枝が無数吹いていて逆方向に伸びている枝や下に垂れすぎている枝もあるのでそれは切り取ってしまいます。

剪定順序 方法

ヒマラヤスギ剪定の順序のまとめとしては(個人差あり)

1.枝の内部の忌み枝(木と逆に向いている枝や下に向きすぎている枝、方向がバラバラな枝、強すぎる枝、ごちゃごちゃした小枝)を取り除く

2.ある程度枝先がスッキリしますので弧を描くような放射状の細い枝を残す

垂れすぎている基準は弧を描いている感じではなく直に真下に伸びている枝を指します。

全ての枝の整理が終わるとこんな感じです。

ぶつ切りのように切っても葉っぱは吹いてきますが次の年に新しい葉っぱでごちゃごちゃになり剪定しづらくなるのでできるだけ枝を残すようにして剪定すると将来的に楽です。

ヒマラヤスギはどんな感じかわかったけど花粉とかで騒がれるそもそも一般的なスギはどういうの?と言う質問もあると思います。

色々なヒマラヤスギ

インターネットから引用
インターネットから引用

こちらがスギになります。

ヒマラヤスギと比べると葉の色が違うのがわかると思います。

よく花粉症で悩まされる樹木でもあります。

双方似てもいますが意外と違っています。そんな違いを見つけて眺めるのも面白いかもしれません。

ちなみに枝葉がもっと密になってくるヒマラヤスギもあるみたいです。

こちらは先日土木施工管理技士の試験で行った青山学院大学のヒマラヤスギです。

自然にこうなったのか仕立てたのかはわかりませんが雄大で綺麗に密に生え揃っていて綺麗でした。

何でもクリスマスシーズンにはクリスマスツリーとして機能するそうです。

それが終われば箱根駅伝を暖かく見守ってくれるんですかね?

<衝撃>コブシが枯れる

お世話になっております🙇

先日行ったお客様宅での仕事ですが前年は多くの蕾をつけていたコブシが無惨にも枯れていました。

花芽を多く残すために毎年徒長した枝などを切るだけの軽めの剪定をしていただけに少し不可解な枯れ方でした。

そのため伐採をする運びとなりました。

枯れ木伐採

樹木全体に枯れが入っているので登って切るのは危険と判断。

脚立を使い上部から少しずつ切り分けて行くことにしました。

伐採途中ですがこのように上部から枝を少しずつ切り分けていくことでより安全に作業することができます。

枝を全て切り終えたら続いては幹です。

幹は枝に比べて太さもあり、重量もあるので慎重に作業を進めて行きます。

無事に切り終えたら衝撃の光景が…

枯れの原因

お分かりでしょうか。

幹の中央に穴が空いています。これがコブシが枯れた原因です。

犯人は…

コブシを枯らした犯人は害虫であるテッポウムシである恐れが濃厚になりました。

テッポウムシとはカミキリムシの幼虫で幹の中を食べトンネルのような穴を作り進み幹に鉄砲が通ったような細長い穴を開けてしまうことから、このように呼ばれています。

テッポウムシ(カミキリムシ)

カミキリムシは6月~10月頃に幹の地際部分に小さな穴を開けて産卵します。一週間ほどで孵化し幼虫の間は翌年5月頃まで樹木の中を食べることを続けます。また、産卵時期が遅く孵化するのが遅かった幼虫は2年ほどかけて成虫になるものもいます。

幼虫は少し平べったく頭でっかちな白い幼虫です。フンは小さな穴から外へだしていくので、幹の根元におがくずのようなものが認められればまずテッポウムシを疑いありです。

成虫は捕まえると胸のところからギィギィとかなり大きな音をたてます。

葉っぱなどを食害する害虫と違い幹の中を食べるテッポウムシは樹木にとって天敵です。表面からは存在が分からないため発見が遅れてしまうと対策ができず、その生態からたった一匹のテッポウムシでも幹の中を食い荒らされ中が空洞になり樹木が栄養を運べなくなります。

そのため気づかぬ間に木が枯れてしまうこともあるのです。

今回のケースは幹元におが屑は見受けられなかったので発見が遅れてしまいました。

テッポウムシはコブシの他にもモミジなどにも入ることがあり同じように木を枯らしてしまいます。

駆除方法

テッポウムシの駆除には駆除剤が市販されています。テッポウムシが開けた小さな穴へ針金状の細く長いノズルを深く挿入し噴射します。

穴は必ず埋めるようにし、園芸用のパテで埋めます。木工用ボンドで代用することもできます。穴をそのまま放置するとアリなどが寄生したり菌が入り込んだりしてさらに樹木を弱らせてしまうことがあるので注意が必要です。10日ほど立って株元にさらに木屑が出ていないか確認しましょう。なければ駆除成功です。

剪定の失敗は考えにくく土の状態も問題なしとなったときは害虫による被害かなと考えてみると以外と当たっていたりするケースもあるので疑ってみるといいと思います。

公園の池も掃除します

お疲れ様です。

先日は公園にある池を徹底的に掃除してきました。

皆さんご想像の通り、ノロやヘドロのオンパレードで物凄い状態でした。年に3回やりますがこの間掃除したのが春頃なので大分空いてしまいました。

こちら掃除前の池です。シンプルに汚いですね(笑)

池掃除ですがどのように進めて行くかですが、まずは写真一枚目のタイル部分の汚れはよくオフィスなどを掃除するのに使う電動ブラシを使って汚れを擦り落とします。

最初に水は抜いておきます。

端から少しずつ汚れが落ちたかを確認しながら進めていきます。

細かい部分は電動ブラシが通れないのでデッキブラシで擦るようにします。

こうすることで格段に綺麗になります。

こんな感じになります。

洗剤とかは使っておらずブラシのみでここまで綺麗になりました。

続いて池の部分ですね。

ここはブラシではなく高圧洗浄機を使って排水溝に流していきます。

端から順々に水圧で汚れを前に前に押していく感覚です。

途中汚れがたまって押せなくなったらネコ(リヤカーのようなもの)に汚れを集めて運びます。

今回はヘドロやノロが多く中々押していけなかったのでネコで15回ほど運びました。(普段は5回くらい)

ひたすら高圧洗浄すること約3時間(長い)100m程ありましたかね

こんな感じに仕上がりました。

ちなみに高圧洗浄機は薬剤散布等で使う動力噴霧器でも代用可能です。

動力噴霧器の場合は水圧を最大限にすると動力噴霧器のような効果を得ることができます。

使い終えたら圧の強さを元通りにしておくのを忘れずに!

当たり前ですが掃除すると綺麗なんですけどね~(笑)

ここの池は生き物は生息していないので管理しやすいですがその他の公園の池などはコイなどの魚が放流されていたりするので一回魚を別の場所に移動させたりしなければならなかったりと大変です。

そのような場所もあるなかで綺麗にしてくれている業者の方には頭が下がります。

今度はまたお正月前辺りに行う予定ですがすぐに汚れてしまうでしょうね(笑)

<超貴重>ゴルフ場の芝張り替え

お世話になっております🙇

先日の仕事ですがゴルフ場の芝張りに行って参りました!もっと厳密に言うとゴルフ場のグリーンの傷んだ芝生の張り替え作業でした。

グリーンの芝張り替えなんて始めてのことなので非常にわくわくしました。

お気づきかと思いますがゴルフ場では場所によって芝生の種類が違います!

場所ごとの芝生の違い

1.フェアウェイ

普通のフェアウェイでの芝生は主に高麗芝のようなものが使われています。高麗芝は日本性のもので一般的な野芝に比べて芝生の密度がきめ細かい特徴があります。

インターネットから引用

こちらが野芝。公園などに主に使われます。

インターネットから引用

こちらが高麗芝です。こちらの方が野芝より決め細やかなのが特徴です。洋風のお庭などに使うことが多いです。

2.グリーン

次にグリーンですがフェアウェイの高麗芝よりももっと細かい姫高麗というものや洋芝のベントグラスという種類のものが使われています!

インターネットから引用

姫高麗芝になります。

一般的には姫高麗のほうが高麗芝よりも決め細やかという認識ですが生育環境によっては高麗芝のほうが細かくなる可能性もあるので大差ない❗と思っていただいて大丈夫です。

インターネットから引用

こちらがベントグラスです。

高麗芝よりも遥かに決め細やかなのが一目瞭然ですね。

まるで人工芝なんじゃないかと思わせるような細やかさと綺麗さです。

このベントグラスは洋芝で寒地型の芝生になります。

ちなみに日本の野芝、高麗芝などは暖地型芝になります。

暖地型芝 寒地型芝

暖地型芝生は冬に地上部が枯れて休眠するのが特徴です。
暖地型芝生の生育適温は25~30℃で、ノシバやコウライシバは15℃前後で生育が緩慢になり、10℃以下になると休眠し、地上部が枯れた状態になります。春になって温度が高まると、再び芽が出て緑色になります。暑さ、乾燥にも強いです。

一方で寒地型芝は、寒さに強く、冬でも青い芝生で、関東より北に向いています。寒地型芝はすべて西洋芝と呼ばれるもので、ベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類などがあり、種により生育させます。摂氏5℃前後から生育を開始し、生育適温は15~20℃です。22℃以上の平均気温が2ヶ月以上続くと夏枯れを起こしやすくなりますが、0℃以下でも枯れることなく寒さには非常に強いのが特徴です。

施工

私たちはこのベントグラスをグリーンに張っていきます。

ホームセンターで売っているような正方形の束になっている芝生ではなくロール状で1mくらいあるものを張っていきます。

芝の根が砂多めなので形が崩れやすいため力を入れすぎてちぎれないようにしないといけません。

芝生の据え付けは木の板を使って真っ直ぐに調整するようにします。

気持ちは120%つめる(ぎゅうぎゅうに)つもりで
横同士はぎゅうぎゅうに押しこみ、
縦同士もぎゅうぎゅうに押しこみますが

押し込みすぎると端が盛り上がってしまうのでその部分を木の板で叩いて平らに調整します。


1枚から2枚張ったら真っ直ぐかどうか

目視して、ずれがあれば板で調整します。

完成

こんな風に仕上がります。

しっかり張れば1ヶ月くらいで
根付きます。

しっかり根付いて1ヶ月後には誰もがラウンドで使えるようになったら良いですね!

ハンマーナイフで 草刈りしてみた

お世話になっております!

先日ですが会社の麦畑が草だらけで荒れ放題でしたので草刈りを行いました。

以前は肩掛け式の草刈り機での草刈りをしましたがさすがに畑の草刈りは広すぎて…

肩掛け式の草刈り機でやってたら日が暮れてしまいます。(笑)

そこでハンマーナイフを使って草刈りをします。

ハンマーナイフとは

このようにエンジン式になっていて小型の車のような形をしています。馬力が桁違いなので広い場所の草刈りにはもってこいです。

このタイプはタイヤで動くものですがキャタピラ式のものもあり斜面などの草刈りにも重宝します。

ハンマーナイフのメリットとして

刈り草を細かく粉砕するので刈跡がきれいで、刈り草を集める必要がありません。(場所による)
背の高い草に対して適性が高く、笹などにも対応ができます。

デメリットは

小回りが効かないので端はどうしても草が残ってしまうことです。

端は肩掛け式のもので刈ってカバーすることによってより綺麗にすることができます。

実際に刈ってみました。

左側は刈る前です。背丈の高い草が生い茂っています。

右側はすでに刈った後です。草を細かく粉砕してくれるので草ゴミが目立たず非常に綺麗にすることができます。

さらに速く綺麗に効率よく刈るためにはコツがあります。

1、より背丈の高い草はハンマーナイフの速度を落として刈る

背丈が低い草はある程度速度を速くして刈ったほうが早く仕上がりますが背丈の高い草を速い速度で刈ると刈り残しが出て綺麗にした見えないので高い草は速度を落としてしっかり刈るようにします。

2、曲がるとき、方向を変えるときは速度を落とす。

曲がるとき、もしくは方向を変えるときは速い速度のままだと大回りになってしまって時間ロスになってしまうので曲がったりする直前で速度を落として大回りにならないようにすることで最短距離で刈ることが出来て、効率良く刈れます。

中々使う機会は少ないですが要所要所で役に立つ良い相棒です。

<閲覧注意!>チャドクガ 毛虫 駆除(害虫駆除やケムシ対策を庭師が解説)

お世話になっております🙇

先日のお客様宅の剪定中ですが見つけてしまいました。庭師の天敵チャドクガを…

ツバキの葉裏にビッシリ付いてました。

チャドクガとは?

こちらです。見るにおぞましいですね…

このチャドクガ何が厄介かと言いますと触れていなくても毛を飛ばすため近くに体を持っていくだけでいたら刺されて被れたりしてしまいます。

普通に剪定する時も気を付けて剪定しますが、さらに気を付けるのが枝を片付ける時です。

切った枝を片付けるときに間違って触ってしまって被れてしまうのは多々ありますので体に触れないように熊手等で集めるようにします。

私たちは仕事のためやむを得ない部分もありますがもちろん誰しも刺されたくないと思います。

チャドクガがいるかどうかの判断ですが葉っぱが食べられていたりすると確実にいます。その症状が見えるのにいない場合は卵が産み付けられている場合がほとんどです。

そうなると来年に卵が孵化し同じように被害に遭います。

対処法

対処法ですがチャドクガを見つけたら殺虫剤を散布します。毛虫に効く殺虫剤が今はホームセンター等で購入できます。ちなみにキンチョールは全く効果がないので気を付けてください。殺虫剤でチャドクガが悶えてそのうち死滅するのでチャドクガが付いていた葉っぱをすべて切ってしまいます。切った葉っぱは燃やしてしまうのが一番良いです。切り取ることで産み付けられている卵も除去できるからです。

あまりに量が多いようであれば業者に依頼して駆除してもらいましょう。業者であれば業務用の殺虫剤で駆除してくれるので自分自身に危害が加わらないので安心です。

どんな木に発生するか?

チャドクガが発生しやすい樹の状態として

1、剪定せずに枝同士が密集している

2、風通しが悪い

主にこの2つが原因とされています。風通しが悪く、湿度が高い場所、さらに目立たない場所は蛾が卵を産み付けるにはベストになります。

具体的につきやすい木は

サザンカ

インターネットから引用

ツバキ

インターネットから引用

チャノキ

インターネットから引用

などのツバキ科の植物が多いです。

特にサザンカやツバキは花も綺麗でお庭にもよく使われる木でありますので注意が必要です。

防ぐために…

防ぐためには

刈り込みではなく剪定をして枝を抜いてやり、風通しを良くする。

これにつきます。

樹を透かしてやれば太陽の光もよく入り、風通しも良くなるのでチャドクガが付きにくくなると言われています。

また毛虫の大敵である鳥が見つけやすくなるので食べてくれるようになります。

そのため放置せず適度に手入れすることが大切です。