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庭師の仕事は様々ですが、庭木を元から切ってしまう伐採という仕事も庭師の仕事としてよく依頼されます。伐採は形を整える剪定や刈り込みなどのお手入れとは違い、樹木を元から切って無くしてしまう作業です。
それは樹木の大きさに関わらず依頼されますが大きさによってやり方が異なってきますがそれは後程解説します。
まずは、伐採をおこなうに当たって必要となる道具を紹介していきます。
幹が細いものなどはノコギリを使って切ることも可能ですが、幹が太くなるとノコギリでの作業は手間がかかるし、何より腕がパンパンになります。
太い幹を伐採するときはチェーンソーという道具を使うことで効率化を図れます。
チェーンソーは、多数の小さな刃がついたソーチェーンを動力により回転させて、ノコギリと同様に対象物を切ることができる動力工具の一種です。主に林業などで使われます。日本語ではでは鎖鋸といいます。
ソーチェーンとは刃の部分のことでチェーンのようになっていることからそう呼ばれていて、ガイドバーと呼ばれるバーに取り付けて使用します。
一般的なチェーンソーです。先端の黒い部分がガイドバーとソーチェーンになります。
簡単な使い方ですがエンジンをかけて、アクセルを吹かせるとソーチェーンが高速回転し、木に当てると削るように木を切断して行きます。
背丈くらいの木を伐採すると仮定して解説します。
充分な広さがある場合は根元に刃を入れて一発で倒す方法もありますが、木の上部から少しずつ切っていく方法もあります。
どちらもメリットとデメリットはあります。
根元から一発で倒す方法
メリット
作業が早い
刃をいれる回数が少ないのでチェーンソーの負担が少ない
デメリット
倒した後に運びやすいように細かく切らなければならない
充分な広さがないと作業が行えない。
上から少しずつ切っていく
メリット
細かくなるので後の掃除がしやすい
狭い場所でも安全に作業ができる。
デメリット
少々時間がかかる
チェーンソーへの負担がかかる
このように分類されますが安全面を考慮するのであれば上から少しずつ切っていく方法が良いでしょう。根元から一発で倒す方法は上級者向けと言えます。
片付けの方法ですが枝や幹を積み込む車種によってやり方が変わってきます。今回はダンプカーを使った場合とパッカー車を使った場合で解説します。
ダンプカーの場合はダンプカーの幅ほどに木を切っていれば乗せることが出来ますし、枝や幹の太さ関係なく乗せられるのがメリットです。
ただ車高が高いため乗せるときに持ち上げなくてはいけなくて少々大変な作業になってしまいます。
またコンパネと呼ばれる木の板を車の横に設置するとその高さまで積むことが出来ますがかさばりやすく、それほど多い量を積むことが出来ないのがデメリットです。
コンパネを積んだトラックです。コンパネの高さまでゴミを積むことが出来ます。
続いてパッカー車です。
パッカー車はダンプカーと比べて積める枝ゴミの量が桁違いです。また、車高も低くゴミを持ち上げなくて良いため作業に関しては非常に楽と言えます。
ただあまりにも太い幹は積めないのがデメリットです。あまりに太い幹を積み込むと故障する恐れがあるので大体自分の腕よりも一回り大きいくらいの太さの物が限界だと思っていただければいいです。
太い幹はダンプカーに積むことになります。
ベストな車種の選定として枝ゴミが多いときはパッカー車とダンプカーを併用します。ほぼ幹のゴミであまり量がなければダンプカーのみで対応するようにします。
このように便利なチェーンソーを使った作業になりますが大変な作業なので機械もダメージが多いためメンテナンスは欠かせません。
販売店や修理店に依頼すれば、必要なメンテナンスを受けられます。簡単な点検、整備、部品交換などは使用者自身が行うこともできます。
清掃
木を切ったときに発生するおがくずや、飛び散ったオイル、泥などの汚れを清掃します。
カッターを研ぐ(目立て)
丸ヤスリでカッターを研ぎます。定期的な目立ては必須の作業であり、林業などでは休憩を兼ねて行うほど頻繁に行います。不適切に研がれたカッターは切れにくいばかりでなく、キックバック(作業中に意図せずチェーンソーが作業者向きに急激に跳ね上がる現象で、死亡事故につながる可能性も高い非常に危険な現象です)それにより燃料消費や振動を大きくするが、いくつものカッターをすべて適切に研ぐのは練習を積まなければ困難で、メーカーは補助工具を販売しています。
点検
破損や部品の脱落が発生していないか、摩耗したり劣化したりして交換を必要とする部品がないか点検します。
調整
アイドリング回転数やチェーンオイル吐出量が最適になるよう調節します。修理は破損、摩耗、劣化した部品を交換します。給油は燃料やチェーンオイルを給油します。
さらにチェーンソーはそれ自体が高速で駆動する刃物であり、さらに騒音、振動、木くずを発生させる。また、チェンソーを使って木を切るときは、切った木によって使用者が傷つけられる可能性もあります。これらの複合的な危険性から使用者を守るため、メーカーによって以下のような安全対策が提供されています。
個人用保護具の着用
ヘルメット:頭を保護します。森林内や斜面など、落下物や転落の恐れがある場所で着用します。
顔面保護具:飛散するおがくずから顔を保護します。顔を覆うメッシュ製のスクリーンになります。
保護めがね:スクリーンを通り抜ける細かい塵から目を保護します。
イヤーマフ:エンジンの騒音によって難聴になるのを防ぎます。
チェンソーズボン:カッターを脚に当てた時に瞬時にカッターを止める機能を持った、特殊繊維入りのズボンになります。
チェンソーブーツ:ズボンと同様に足を保護します。
機械自体の対策
エンジンを止めるほどではないが、短時間チェンソーを使わないときにチェーンの回転を止める「チェーンブレーキ」を備えています。チェンソーを使わないときにすぐにエンジンを止められるよう、スイッチを操作しやすい位置にレイアウトしています。各国の排気ガス規制に適合するようエンジンを改良していて、騒音を少なくするマフラーを備えています。キックバックが発生しにくいような形状のソーチェーンを開発しています。
例えば、ブレード先端を細くして同時に掛かるコマ数を少なくすることや、カバーを装着して先端のコマが対象物に当たらないようにしています。キックバックが発生した時に、前ハンドルを握っている手が自然にチェーンブレーキを作動させられるように、ブレーキレバーの形状を工夫しています。
上記の振動、騒音、排気ガスの内燃機関に起因する問題の対策として、電気式チェーンソーがあり、以前説明した充電式などはこれに当たります。
チェーンソーは便利ではありますが一歩間違えれば身体を傷つけて悪いときには亡くなってしまうこともあります。実際、現場での事故はチェーンソーが多いといわれています。
だからこそ正しい使い方をしっかりマスターして安全に作業が出来るようにしていかなければいけません。