お世話になっております🙇
先日行ったお客様宅での仕事ですが前年は多くの蕾をつけていたコブシが無惨にも枯れていました。
花芽を多く残すために毎年徒長した枝などを切るだけの軽めの剪定をしていただけに少し不可解な枯れ方でした。
そのため伐採をする運びとなりました。
枯れ木伐採
樹木全体に枯れが入っているので登って切るのは危険と判断。
脚立を使い上部から少しずつ切り分けて行くことにしました。
伐採途中ですがこのように上部から枝を少しずつ切り分けていくことでより安全に作業することができます。
枝を全て切り終えたら続いては幹です。
幹は枝に比べて太さもあり、重量もあるので慎重に作業を進めて行きます。
無事に切り終えたら衝撃の光景が…
枯れの原因
お分かりでしょうか。
幹の中央に穴が空いています。これがコブシが枯れた原因です。
犯人は…
コブシを枯らした犯人は害虫であるテッポウムシである恐れが濃厚になりました。
テッポウムシとはカミキリムシの幼虫で幹の中を食べトンネルのような穴を作り進み幹に鉄砲が通ったような細長い穴を開けてしまうことから、このように呼ばれています。
カミキリムシは6月~10月頃に幹の地際部分に小さな穴を開けて産卵します。一週間ほどで孵化し幼虫の間は翌年5月頃まで樹木の中を食べることを続けます。また、産卵時期が遅く孵化するのが遅かった幼虫は2年ほどかけて成虫になるものもいます。
幼虫は少し平べったく頭でっかちな白い幼虫です。フンは小さな穴から外へだしていくので、幹の根元におがくずのようなものが認められればまずテッポウムシを疑いありです。
成虫は捕まえると胸のところからギィギィとかなり大きな音をたてます。
葉っぱなどを食害する害虫と違い幹の中を食べるテッポウムシは樹木にとって天敵です。表面からは存在が分からないため発見が遅れてしまうと対策ができず、その生態からたった一匹のテッポウムシでも幹の中を食い荒らされ中が空洞になり樹木が栄養を運べなくなります。
そのため気づかぬ間に木が枯れてしまうこともあるのです。
今回のケースは幹元におが屑は見受けられなかったので発見が遅れてしまいました。
テッポウムシはコブシの他にもモミジなどにも入ることがあり同じように木を枯らしてしまいます。
駆除方法
テッポウムシの駆除には駆除剤が市販されています。テッポウムシが開けた小さな穴へ針金状の細く長いノズルを深く挿入し噴射します。
穴は必ず埋めるようにし、園芸用のパテで埋めます。木工用ボンドで代用することもできます。穴をそのまま放置するとアリなどが寄生したり菌が入り込んだりしてさらに樹木を弱らせてしまうことがあるので注意が必要です。10日ほど立って株元にさらに木屑が出ていないか確認しましょう。なければ駆除成功です。
剪定の失敗は考えにくく土の状態も問題なしとなったときは害虫による被害かなと考えてみると以外と当たっていたりするケースもあるので疑ってみるといいと思います。